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タイ・ミャンマー国境に潜む「闇バイト」の魔窟 誘い出した香港人を監禁し、非合法行為を強要

東洋経済オンライン / 2025年1月24日 8時10分

東南アジアに監禁された香港人を救出するため、香港保安局は特別タスクフォースを組織した(写真は同局のウェブサイトより)

甘い言葉に乗せられて東南アジアに渡った香港人が、犯罪グループのアジトに監禁されて(特殊詐欺などの)非合法行為を強要される事件が相次いでいる。そんな中、被害者の家族からの救出要請に応じて、香港の公安当局が特別タスクフォースを組織した。

【写真】タイ警察の高官と協議する香港保安局の卓孝業・副局長

香港政府の保安局は1月12日、同局の卓孝業(マイケル・チョク)副局長が率いる特別タスクフォースがタイに向かい、現地の関係当局と協力してミャンマーとの国境地帯に拘束されているとみられる12人の香港人の解放を図ると発表した。

出発前にメディアの取材に応じた卓副局長によれば、これらの被害者のほとんどは香港当局と連絡を取ることができ、生命の危険にさらされてはいないものの、行動の制限を受けているという。

当局は「人身売買」と認識

特別タスクフォースは、タイ滞在中にタイ警察や駐タイ中国大使館などの関係部門を訪れ、個別事案の説明や情報交換を行う。と同時に、監禁されている香港人の救出に全力を上げるようタイの関係当局に要請する。

卓副局長によれば、被害者の大部分はSNSやチャットアプリを通じて得た「学歴不問で簡単に稼げる仕事がある」などの情報にだまされ、「急いでこちらに来てほしい」という誘いに応じて東南アジアに渡った。

彼らは(自分の意思で渡航しており)現地を旅行中にいきなり拉致されたわけではない。しかし卓副局長は、これらの事件は詐欺ではなく誘拐であり、不法な人身売買に当たるという認識を示した。

東南アジアに監禁された香港人を救出するため、香港保安局が特別タスクフォースを組織するのは初めてではない。最初のタスクフォースは、2022年から2023年初めにかけて救出要請を受けた46人の解放に尽力した。

これらの被害者は東南アジアに到着後、犯罪グループのアジトに連れて行かれて監禁され、詐欺行為への荷担を強要された。被害者がそれを拒否したり、詐欺行為に失敗したりした場合、非人道的な扱いを受けたと見られている。46人はすでに全員解放され、そのうち43人が香港に戻った。

誘拐手法が巧妙に変化

だが、同様の事件はその後も絶えなかった。香港保安局が2024年4月以降に救出要請を受けた被害者は28人に上り、そのうち16人は解放に至った。しかし残る12人の監禁が続いているため、保安局は再び特別タスクフォースを組織することを決めた。

卓副局長によれば、犯罪グループの誘拐手法はより巧妙に変化している。一部の被害者は、最初は(東南アジアではなく)台湾または日本に行って商品の仕入れ代行に従事するよう指示されていたが、出発直前に行き先を東南アジアに変更すると告げられた。

また、犯罪グループのアジトの所在地も、以前のラオスとミャンマーの国境地帯から(当局の摘発を逃れるために)タイとミャンマーの国境地帯に移動しているという。

(財新 駐香港記者:文思敏)
※原文の配信は1月13日

財新 Biz&Tech

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