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言語化は「うまい言葉を使えばいい」という大誤解 元裁判所書記官が教えるうまい情報整理の本質

東洋経済オンライン / 2025年1月25日 16時0分

「言語化」の目的には、

①相手とのコミュニケーションのための言語化

②自分とのコミュニケーションのための言語化

の2種類があります。

「うまい言葉」にあこがれたとしても

まずは、相手とのコミュニケーションのための言語化について説明していきます。

今、多くの「言語化」の本が出ています。なかにはコピーライターやコンサルタントが著者となっているものもあり、「自分の想いをいかにうまく言葉にするか」ということに重きが置かれているものが多いように感じます。

でも、日常のコミュニケーションにおいては、言葉のプロが扱うような「うまい言葉」は必ずしも必要ありません。それよりもむしろ「何を伝えるか」という中身の部分をしっかり整理することのほうが大事です。

ある友人が新入職員だった頃、会議の後に先輩に質問したときのことです。

「さっきの会議で『コンセプト』という言葉が何度か出ていましたが、どういうことだったのでしょうか?」

先輩は、「コンセプトは、アイディアの種みたいなものだよ」と、一言答えて去っていってしまいました。

(アイディアの種ってどういうこと? 今日の会議でなぜそれが必要で、どうやって考えたらよいかも知りたかったんだけどな……)

大事なのは「どう伝えるか」よりも「何を伝えるか」

先輩としてはうまい言葉で端的に言語化したつもりだったのかもしれませんが、質問に答えてもらえなかった友人には、なんとも言えないモヤモヤと不満が残ったそうです。

このように、一見うまい言葉のやりとりがされたように見えても、必要な情報が伝わっていなかったり、質問したことに十分答えていなかったり、コミュニケーションの目的が果たされていなければ、うまく言語化ができたとはいえません。

一般社団法人日本ビジネスメール協会による「ビジネスメール実態調査2024」でも、仕事で不快に感じたメールの内容として、「必要な情報が足りない」が第1位に挙げられています。

つまり、失礼がないか、文章が読みやすいかどうかといった「伝え方」よりも、「何を伝えるか」という素材の部分が不十分だと、相手はより不快に感じるということです。

いくら伝え方を磨いても、前段階である「何を伝えるか」の情報が十分整理できていなければ、わかりやすく人に伝えることはできないし、伝えたところで薄っぺらだと思われてしまいます。

佐野 雅代:元裁判所書記官、英語発音指導士

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