日本人なら懐かしい「歌の昭和史」総ざらい(前編) 「赤とんぼ」は昭和2年の国民的ヒット曲だった
東洋経済オンライン / 2025年1月26日 12時0分
今年、2025年は「昭和100年」の年である。これを機に、『赤とんぼ』からユーミン、シティ・ポップに至る「歌の昭和史」を振り返ってみる。
【表でひと目でわかる!】「昭和20年代・30年代」のヒット曲と売上枚数のリスト
昭和の歌謡は、まずラジオ(今年は放送100年)とともにあった。
戦後はテレビの時代に移行し、多数のスターやアイドルを輩出。またレコードからCDへという時代の変化もあり、ヒット曲を生み出す社会環境も激変した。だが、「歌は世につれ世は歌につれ」、時代と人間が新たな歌を生み出す本質に変わりはない。
まずは戦前のヒット曲から見ていこう。
*この記事の中編:日本人なら懐かしい「歌の昭和史」総ざらい(中編)
*この記事の後編:日本人なら懐かしい「歌の昭和史」総ざらい(後編)
童謡『赤とんぼ』は昭和2年のヒット曲
昭和戦前の歌謡史を飾る最初の楽曲は『赤とんぼ』(作詞:三木露風・作曲:山田耕筰)だろう。
昭和2(1927)年に国民的なヒットとなり、平成19(2007)年に「日本の歌百選」に選ばれている。歌謡曲の普及以前に、誰しも口ずさめる歌はこれしかなかったのだ。
作詞の三木露風は、北原白秋とともに「白露」時代を築いた近代詩人。
出身は、そうめんの「揖保乃糸」で有名な兵庫県揖西郡(現在のたつの市)で、15歳で嫁に行った「姐や」(女中)に背負われて見た、幼少期の幻想的風景が歌われている。岩波文庫が発刊され、「ボンヤリした不安」という言葉を残して、芥川龍之介が自殺した年の歌だ。
翌昭和3(1928)年には、二村定一の『君恋し』が大ヒットしている。
同年、昭和天皇が京都御所で即位礼、名実ともに昭和がスタートする。浅草レビューが登場する一方、ダンスホール取締令が発令されるなど、大衆芸能にプレッシャーもかかってきた世相を偲ばせる切ない恋歌だった。
この曲は戦後の1961(昭和36)年、フランク永井がカバーしてリバイバル・ヒット、同年の日本レコード大賞グランプリに輝いた。
昭和4(1929)年は宝塚花組の『モン巴里』、翌年には定番中の定番『すみれの花咲く頃』を宝塚月組がレコーディングしてヒットした。
戦後歌謡界の重鎮・藤山一郎の歴史的大ヒット曲『影を慕いて』(作詞・作曲:古賀政男)が生まれたのは昭和7(1932)年、五・一五事件起きた年だ。
藤山は東京音楽学校(現在の東京藝術大学音楽学部の前身)卒で、バリトン歌手のキャリアがあり、戦後も『青い山脈』『長崎の鐘』などをヒットさせ、生前に国民栄誉賞を授与された。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
日本人なら懐かしい「歌の昭和史」総ざらい(後編) 昭和が遠のく中、矢沢永吉は今も現役で…
東洋経済オンライン / 2025年1月26日 12時2分
-
日本人なら懐かしい「歌の昭和史」総ざらい(中編) 「何曲知っているか」で"読者の年代"がわかる?
東洋経済オンライン / 2025年1月26日 12時1分
-
韓国歌謡曲「黄色いシャツの男」歌った韓明淑さん逝去 中曽根康弘氏が晩餐会で熱唱し歓待 ソウルからヨボセヨ
産経ニュース / 2025年1月25日 7時0分
-
マルシア、全70話もある韓流ドラマを3回も見返す!? 大絶賛する復讐ドラマとは?
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2025年1月1日 17時0分
-
日本人は本当にNHK紅白を欲しているのか…平成元年の「打ち切り騒動」以来35年ぶりに番組を襲う根本的な疑問
プレジデントオンライン / 2024年12月31日 9時15分
ランキング
-
1「カキ」にあたる人・あたらない人、何がどう違う?→実は「あたりやすい人」には特徴があった【医師解説】
オトナンサー / 2025年1月27日 7時10分
-
256歳・年収600万円男性「月30GBもスマホのデータ通信が使えてかなりお得感がある」買ってよかった株主優待銘柄とは?
オールアバウト / 2025年1月26日 12時20分
-
3【話題】新品で買った服、着る前に「洗濯」する? SNS「汚い気がする」相次ぐも「なんで洗うの?」「潔癖すぎ」の声も
オトナンサー / 2025年1月26日 22時10分
-
4お金でも名声でもない…ハーバード大教授の75年間の追跡調査で分かった「幸せな人生」に欠かせない重要要素
プレジデントオンライン / 2025年1月27日 8時15分
-
5「無印で買ってよかったアイテム」3選 こたつは今冬シーズンで最もいい買い物でした
Fav-Log by ITmedia / 2025年1月26日 18時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください