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「完全防御は困難」でどうする?サイバー攻撃対策 ゼロトラストからサイバーレジリエンスへ

東洋経済オンライン / 2025年1月27日 8時0分

――2025年もサイバー攻撃は増えるか。どう対処すべきか。

今後もランサムウェア攻撃は増加すると見込まれる。ランサムウェアは、なるべく被害に遭わないようにすること、そして被害にあっても影響が小さくなるようにしておくことが重要だ。

ユーザー企業ができることは限られるが、対策費用は多くなってもリスクアセスメントをきちんと行うこと。また「Attack using AI」が増加するとともに、攻撃がさらに高度化していくだろう。攻撃を完全には防ぎきれないので、サイバーレジリエンスの強化も大切になる。

サイバーレジリエンスの構築では、従来は、その発生率を下げることで異常な状態になることを防いでいたが、たとえ異常になっても直ちに復旧できるようにすることも、今後は重要性を増す。

一般ユーザーとしては、昔から言われているような、バージョンの古い脆弱性のあるソフトウェアは使わない、ウイルスや脆弱性チェックのようなものを整備し、常に最新の状態で運用するなどの基本の対策をしっかりやっていくことが大切になる。

とくに最近は、リモートワークやリモートメンテナンスなどで使われるVPN装置の脆弱性や設定の不備が狙われる例が目立つので、適切に管理する必要がある。その際に、自分たちの管理範囲がどこまでで、見逃しがないのかについて注意しておこう。

2024年10月10日に、EU理事会と欧州議会で正式採択された「EUサイバーレジリエンス法」がある。EU内で事業を行うすべての企業に対しサイバーセキュリティの基準を定め、遵守を義務付けるものだ。

この法規制の本格的な適用はまだ先になるが、きちんと対策をしていないと多額の罰金を科せられることになるので準備を進めておきたい。

谷川 耕一:ライター

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