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質の高い睡眠を実現する「最初の4時間」の重要性 スマートウォッチで「睡眠を記録」する参考に

東洋経済オンライン / 2025年1月28日 19時0分

人間の体はもともと、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しながら4時間以内に2回以上、深睡眠がとれるようになっています。ところが、ぐっすり眠れない人は、なかなか深睡眠が訪れなかったり、訪れてもすぐに終わったりしています。なぜそのような違いが生じるのでしょうか。

そこに大きく関係してくるのが、深部体温と自律神経です。体の表面の温度である皮膚温に対して、内臓など体の内部の体温である深部体温は、一日を通して決まったリズムで変動しています。朝目覚めるところから上昇し始め、日中は高めのまま推移して夕方以降夜にかけて少しずつ低くなっていきます。

私たちの体は、もともと深部体温が下がると眠くなるという仕組みになっていますが、よい睡眠がとれない人は、この深部体温のリズムが乱れ、夕方のピーク時になっても体温が上がらない、夜、布団に入る時間になっても体温が上がりきっていないという問題を抱えている可能性があります。

深部体温のリズムは、メラトニンという睡眠ホルモンの影響を受けています。メラトニンは自律神経の安定を促し、深部体温を下げる働きをしますが、夜の睡眠時に多く分泌され、朝、目覚めて太陽の光を浴びると減少します。

夜にメラトニンが働くためには、朝きちんと光を浴びて、眠気を生み出すセロトニンという幸せホルモンが分泌される必要があります。こうしたメラトニンとセロトニンのサイクルが繰り返されているため、私たちは夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるのです。

眠り始めの4時間が何より大事

深睡眠のあるなしが睡眠の質に大きな影響を与えますが、さらに重要なのが、眠りについてから4時間以内に深睡眠がとれるかどうかです。

レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルは、眠ってから朝まで4~5回ほど繰り返されますが、もっとも深睡眠をとりやすいのは、ノンレム睡眠の最初と2番目。これがちょうど眠り始めてから4時間以内に当てはまるのです。

この際に深睡眠がとれていれば、睡眠の質は十分高いといえるでしょう。反対に、眠りについてからの4時間で深睡眠がとれていなければ、いくら睡眠時間が長くても心身の疲労がとれず、目覚めもスッキリしてきません。

睡眠時間は十分足りているはずなのに、眠りが浅くてスッキリしないという人は、自律神経が乱れている可能性もあります。交感神経が優位で体が緊張したままだと、うまく寝つけず、ぐっすり眠ることができないのです。

また、目覚めてもなかなか疲れがとれずにボーッとした状態が続くことを「睡眠慣性」といいます。スッキリ目覚められていないので、疲れが残って体がだるいと感じるのです。

人の体には、上のグラフのように深部体温(内臓など、体の深い部分の体温)が上がると活動が活発になって下がると眠くなるという仕組みがあります。深部体温は夕方をピークに下がっていき、夜に眠気が訪れますが、このリズムが狂うと、睡眠の質がどんどん悪くなります。

忙しくて睡眠時間がしっかりとれないなら、睡眠の質を高めるしかありません。そのために、睡眠周期の最初に訪れるノンレム睡眠のときに、どれだけ深く眠れるかに力を注ぎましょう。

白濱 龍太郎:睡眠専門医

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