『あのと粗品』Podcastで人気独走も納得の背景 リスナーを巻き込んだ"そしあの"ブランディング
東洋経済オンライン / 2025年1月28日 8時40分
テンポよく掛け合う2人のやり取りは、番組公式TikTokの切り抜き動画でも拡散されており、しばしばバズを起こす。そのためどの番組か知らずに本編の一部を見ている層も少なくないだろう。
"そしあの"(粗品とあのの通称)コンビを世間に浸透させた『電電電波』は、今や2人にとって主要拠点ともいえる存在なのではないだろうか。
Podcast活用でファン・エンゲージメントを促進
このコンビの認知度を広めたのがテレビバラエティの『電電電波』なら、他方、"そしあの"ブランドへのエンゲージメント(愛着、親密度)を高めることに貢献したのが、スピンオフのポッドキャスト番組『あのと粗品の電電電話』だ。
ポッドキャストなどの音声コンテンツは、リスナーにとってパーソナリティとの心理的な距離の近さが魅力の一つ。ユーザー側は好きなチャンネルを自ら選んで聴くため、番組に対して継続的にファン化しやすい傾向がある。
『電電電話』ではそんなポッドキャストの特性と、2人のトーク力が絶妙に掛け合わされている。中でもファンを惹きつけるのは、リスナーを巻き込んだ程よい"内輪向け"の笑いだ。
特に粗品は会話の中でしばしば「そしあの」「そしあの厨(粗品とあののファンの通称)」といったワードを用い、自分たちのファン界隈をネタにして雑談を展開する。
粗品が自らあのとの交際疑惑を匂わせ、その関係性を「そしあの劇場」としてエンタメ化するのは、もはや鉄板ネタ。
2人は『電電電話』で、そんな笑いの背景を理解するリスナーとの共犯関係を作り上げたことで、ファン人気を一層定着させた印象がある。
「作る、出演する、届ける」を自己完結するタレント像
テレビバラエティやポッドキャストといった番組側が用意した枠に加えて、2人の人気にもっとも強く火をつけたのは、やはり本人たちが発信するYouTube動画などのオリジナルコンテンツだろう。
特に粗品は、芸人としてトップクラスの、登録者220万人規模の公式YouTubeチャンネル「粗品 Official Channel」を本格的に運用している。これまであのとは、デート風ロケ、熱愛報道へのアンサーなど引きの強いコラボ動画をいくつも投稿し、話題を作ってきた。
多数のSNSやYouTubeを器用に活用するあのは、自身のYouTubeチャンネルで粗品を自宅に招いたコラボ動画を過去に投稿。
チャンネルを開設したばかりの5本目の動画だったにもかかわらず、再生回数470万回超え(2025年1月時点)の驚異的な数字を叩き出した。
コンビのブランド力を自分たちで築きあげ、「コンテンツを企画制作する」「タレントとして出演する」「狙ったターゲットに届ける」一連のプロセスを自己完結できる2人は、いわばネット・SNS時代を象徴するタレントといえる。
特に"そしあの"の場合、(バラエティという共通項はあったにせよ)本業の異なる2人がタッグを組み、タレントとしての新機軸を開拓したところに新しさを感じる。
今や時代の寵児となった2人の"コンビブランディング"からは、大いに学べるところがありそうだ。
【もっと読む】酷評殺到『聖☆おにいさん』私が映画館で驚いた訳 ファンからも手厳しいレビューが相次いでいるが… では、賛否両論が寄せられている劇場映画『聖☆おにいさん』について、エンタメコラムニストの白川穂先氏が詳細に解説している。
白川 穂先:エンタメコラムニスト/文筆家
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