TOP1%で合格の米国内科医が推す効果的な勉強法 大事なところに下線を引くだけで大丈夫?
東洋経済オンライン / 2025年1月29日 14時0分
「比較的効果の低い勉強法」としては以下のようなことがあります。
・繰り返し読む(再読)
・教科書や参考書の文章をノートにただ書き写す、まとめる
・ハイライトや下線を引く
これらの方法はいずれも、そのようにした方がいいと、どこかで聞いたり読んだりした一般的な勉強法だと思います。
しかしさまざまな学習方法の有用性について、膨大な過去の研究を調べてまとめたケント州立大学心理学部のダンロスキー教授らによる有名な報告書では、いずれも「今ある科学的根拠に基づき、有用性は低いと評価する」とされています。
もちろん、再読は書かれた内容を短期的に覚えるうえでは、1回だけ読む場合よりも効果があるとする研究報告は複数あります。
例えば、高校生と大学生155人を対象とした研究で、参加者に文章を何度も読んだ直後に穴埋め問題を解かせたところ、1回だけ文章を読んだ学生よりも2回読んだ学生の正答率のほうが高いという結果がありました。
しかし、4回読んだ学生と2回読んだ学生とは、ほとんど点数が変わりませんでした。再読は短期的には多少効果があるかもしれませんが、勉強の目的がより長期的な知識の習得であることを考えると、あまり有効な学習法とは言えません。
またダンロスキー教授らの研究では、要約するのがうまい学習者にとっては、書き写したり、ノートにまとめたりする方法は効果的な学習方法になり得るとしつつも、多くの学習者(子どもや高校生、一部の大学生など)にはきちんと要約する訓練が必要であるとしています。
ハイライトを引く行為についても、より効果的に行う知識を学習者が持っている場合や、文章が難しい場合には役立つかもしれないが、推論を必要とする、より高度な課題では、「かえってパフォーマンスを低下させる可能性がある」としています。
つまり、これらの勉強法に効果が全くないとは言い切れないものの、ただ読む、ただ書く、ただ線を引くだけで得られる効果は「限定的」だということです。
「勉強した気になる」錯覚が問題
問題は、これらの勉強法をただやるだけで、「わかった気になってしまう」「勉強した気になってしまう」ことです。
例えば再読では、同じ文章を2回目に読む時のほうが文章に慣れすらすら読めるため、わかった気になってしまいます。そのため、さらに理解を深めたり、覚えたりするといった深い情報処理が新しく行われにくいことが考えられます。
表面的に情報が処理しやすくなったことで、実際には内容を記憶し深く理解していないにもかかわらず「覚えた気になってしまう」「理解した気になってしまう」心理的な現象は、「流暢性の錯覚(幻想)」と呼ばれています。何かを学習する時には、この流暢性の錯覚に気を付けなければなりません。
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