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「子供がますます勉強しなくなる」親の接し方4NG 「勉強しなさい」「しなくていいよ」は両方NGです

東洋経済オンライン / 2025年1月29日 8時50分

子どもがますます勉強しなくなる「親のNGな関わり方」をご紹介します(写真:プラナ/PIXTA)

大学中退(教員免状ナシ)、ホームレス経験ありという異色の教育者・髙田康太郎氏。

生徒数がわずか2名で倒産寸前だった学習塾を数カ月で100人に増やしたことをきっかけに塾経営に乗り出す。

現在は学校の中に設置される「学内塾」を全国5校、中高あわせて7カ所で経営し、『勉強ぎらいな子に奇跡をおこす方法』を上梓した髙田氏が「子どもがひとりでにやる気を出す親の関わり方」について語る。

「勉強しなさい」と言っても、子どもが勉強しない理由

私は現在、全国で5校、中高あわせて7つの「学内塾」(学校の中に開設され、生徒の勉強をサポートする塾)を経営し、自らも講師として教壇に立っています(一部、学校の授業も受け持っています)。

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いずれも保護者会や三者面談を頻繁に開くのが私のスタイルです。そこで多くの保護者の悩みを聞いてきました。

なかでも一番多いものが「子どもが勉強をしない」という悩みです。

「ゲームやYouTubeばかり見ていてちっとも勉強に身が入らない」「本をたくさん読んでほしいのにマンガしか読まない」「親の言うことを聞かない」などみなさん、おっしゃることは同じです。

そこでこの記事では、「子どもがますます勉強をしなくなる親のNGな関わり方」をご紹介していきたいと思います。

【親のNGな関わり方①】目標設定のないままに「勉強しなさい」と追い立てる

多くの子どもにとって、目的のない勉強は苦痛なものでしかありません。できれば勉強よりゲームやYouTubeを楽しみたいと思うのはあたりまえのことです。

では、どうすればいいのでしょうか?

重要なことは「何のために勉強をするか」という目的意識です。子ども自身が目標意識を持っていなければ、どれだけ親が「勉強しなさい!」と言っても、やる気を出すことができません。

では親のすべきことは何か。

まずは子どもと向き合い、本人が何をしたいかを聞き出してください。

「日本を牽引する人になりたい」とか「ITの技術者になりたい」といった、大きな夢や具体的な職業でなくてもいいのです。

「こんなことに挑戦してみたい」「こんなことができるようになりたい」といったことでOKです。

それさえ聞き出すことができれば、宿題をやったり、受験勉強をやらせることは容易です。なぜなら「その目標を達成するためにはこの勉強が必要だよね」と説明ができるからです。

子ども自身、心のどこかに「将来はこうなりたい」「こういう自分になりたい」という思いを持っているはずです。

それを引き出し、「この目的のために今やらなければならないのは何か」を示してあげること、これが大人の役割です。

私が受け持つ生徒の中にも「起業したい」「プロのダンサーになりたい」「人を笑わせたい」「世界を旅行したい」などいろいろな夢を持つ子どもがいます。

ただその夢をかなえるためには時間がかかります。それまでに何をやっておけばいいのか。

「大きな夢を達成するためには小さな目標をこなしながら、基本的な力を身に付けることが大切だよ」と言うと、子どもは「今できることをやろう」とがんばりはじめます。

【親のNGな関わり方②】親の「古い常識」で決めつけない、判断しない

これはとても大事なことですが、親が口を出すのではなく、子どもが決めたこと、選んだ道を尊重してあげてください。自分自身で考え、目標を決めるプロセスこそが子どもに力をつけるからです。

学校の人気や偏差値も、親の時代とは大きく様相が異なっていますし、職業も親の時代に人気だったものが、今後もずっと安泰とは限りません。

親の「古い常識」で決めつけたり、判断したりするのは子どものためになりません。

選択肢を与えたうえで、子どもが「自分で決める」

進学先もそうです。できるだけ多くの学校見学に連れて行き、選択肢を与えたうえで、子どもに選ばせてください。

「この学校に入る」と自分で決めた目標のために乗り越えなければならないハードルが受験であれば、子どもは自ら努力をすることができるはずです。

私の教え子にハンドボールの活動と勉強を両立して非常にいい成績を取っている子どもがいました。

ところが、その子が進学先として選んだのは、偏差値が自分より10ほど低い高校でした。ハンドボールが強い高校ということで選んだのです。

彼女の夢が体育教師だったこともあり、「せっかく成績がいいのだから、進学校に入って教員免状のとれる大学への進学を目指したら?」とアドバイスしたところ、「先生が勉強したら選択肢が広がるというので勉強して選択肢を増やし、その結果としてこの高校を選んだんです」と言われました。確かに彼女の言うとおりだと思いました。

彼女はその高校でハンドボールと勉強に打ち込み、生き生きとした毎日を送っています。保護者も「本人が決めたことだから」と全力で応援してくれています。

【親のNGな関わり方③】「やりたくなければやらなくていいよ」と逃げ道を与える

「勉強しなさい」と同じようにNGな言葉掛けに「やりたくなければやらなくていいよ」というものがあります。

子どもは基本的に嫌なこと、つらいことからは逃げたがります。

必要だとわかっていても逃げてしまったり、ほかにもっとラクで楽しそうなことがあれば、そちらに吸い寄せられてしまったりするものです。

だからこそ、「自分で決めること」が大事なのです。自分で「この目標のためにがんばる」と決めたら、その約束を守らせるようにします。

社会に出たときに一時的な感情で嫌なことから逃げてしまい、自分のやりたいこと、欲しいものを手に入れられない人間になってしまわないためにも、これは重要なことです。

自分で決めたことをやれば、何かが得られるというプロセスを体験させることが重要だと思っています。

【親のNGな関わり方④】子どもを一人の人間として認めない

三者面談でよく「この子、全然ダメなんです」「成績が悪くて行ける学校がない」と言う親御さんがいます。

これでは子どもの自己肯定感は低くなるばかりです。

自ら目的意識をもって学び、成績をドンドン上げていく子どもを見ていると、親がその子を一人の人間として認めているケースがほとんどです。

私の生徒さんに、東京大学に進学した子どもがいます。その子はADHDと診断されており、勉強に集中することが難しい状態でした。他の子に迷惑をかける行為もありました。

ところが、親は子どもの特性や受験へのハードルを理解したうえで「うちの子はできます」と言うのです。

とくに強制的に勉強をさせるわけでもなく、偏差値至上主義でもなく「うちの子は勉強に向いている」とその親御さんは信じていたのです。

結果、その子は見事に勉強で才能を開花させて東京大学に入りました。

親やまわりの人から、自分は一人の人間として認められている、意見を尊重されている、自分が力を持っていると信じてくれる……。そういう感覚を得ることで子どもは自己肯定感を持ち、困難を乗り越え、自らの目標を達成していくことができるのです。

「きっかけ」さえあれば子どもはグングン伸びる

私は現在、7つの学内塾を経営していると述べましたが、学内塾を採用する学校はその多くが「学校再生」を目的としています。

そこでは「子どもが課題を出さない」という悩みは本当に多いです。

しかしこのような学校には「やらない」のではなく「できない」子がいるのです。

授業についていけなかったり、メモをとる習慣もないから、課題のやりようがないわけです。

そのような場合は、たとえば高校3年生であれば1年の課程から、場合によっては中学までさかのぼって、土台を作っていけるよう個別にサポートしていきます。

しかし、勉強が遅れている子どもでも、ある日をきっかけに目的意識を持ち、目覚ましい成長を遂げることがあります。

子どもの学力はまわりの大人たちが「きっかけ」を与えることで、実は簡単に伸ばすことができるのです。

私は学内塾の経験を通して、それを確信しています。

ぜひ「子どもの力」を信じて、「子どもの選択」を信じて、「その子が最大限に成長できるサポート」を行っていただきたいと願っています。

髙田 康太郎 :「学びの森」代表

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