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「子2人とゴミ屋敷に住む」シングルマザーの孤独【再配信】 ゴミに埋まった勉強机、コバエの飛ぶリビング

東洋経済オンライン / 2025年1月29日 8時10分

友人の状況を打開する方法はないものかと探していたところ、YouTubeで「イーブイ片付けチャンネル」に行き当たった。その動画で、二見さんの「苦手な分野は人それぞれある」という言葉を聞いてハッとした。

「彼女は料理が得意だけど私は苦手。彼女はたまたま片付けが下手くそなだけで、私は片付けができるだけなんです。すぐに電話して謝りました。責めてごめんって」(友人の女性)

それから同チャンネルの動画を共有するようになり、ついに母親から「代わりに連絡してくれないかな」と相談があった。本人としてはかなり切羽詰まっていたのだ。

人が悩んでいるとき、第三者の勝手な感情は、より追い打ちをかける。それが心配や思いやりから来るものであってもだ。現状を否定するのではなく、現状をよりよいものに変えるにはどうすればいいのかを一緒に考えてあげなければいけない。そう二見さんは言う。

ゴミ屋敷の住人の中には、子どもと一緒に住んでいるという人が少なくない。このケースを配信した後、「じつは私も悩んでいたんです」というシングルマザーたちからの相談が殺到した。「現場の撮影をしてほしい」という本人の希望は、自分と同じ悩みを抱えている人たちへの想いから生まれたものだった。

ゴミ屋敷であることが普通になってしまう

母親からの愛情が2人の子どもに注がれているとはいえ、ゴミ屋敷の中で暮らすことが子どもたちにいい影響を与えるかというと、正直言ってそれはないだろう。

「小学生の頃って友だちの家がゴミ屋敷でもなんとも思わなかったはずです。いま思えば、僕の友だちにもゴミ屋敷に住んでいる子がいましたが、子どもにとってそれは城のように見えて、むしろ遊ぶ場になっていました。けれど、遅くとも高校生になる前には、周りのその感覚も変わってくると思うんです。けれど、本人がゴミ屋敷にいる状況が当たり前になってしまうと、その子が大人になったときに周りとの違いが浮き彫りになり、大きな問題が生じてしまいます」(二見さん)

片付けの最中、二見さんは壁に描かれた子どもたちの落書きを見つめていた。そこには運動会の持ち物が書かれている。算数の勉強をした形跡もあった。

「どんな気持ちでこの壁に落書きしていたのかなと。住んでいる人の生活が見えてしまうと気持ちが入ってしまいますね。脱衣所も風呂場もゴミだらけなので、きっとわずかな隙間でシャワーを浴びていたんだと思います。あの食卓でご飯を食べている姿や、ゴミの中で宿題をしている姿も浮かびます。それをお子さんたちは普通のことだと思っているかもしれないんです」

片付けによって孤独から抜け出した母親

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