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言語化に苦労する人が激変「1本の線」の絶大効果 情報を分けることで驚くほど思考の整理ができる

東洋経済オンライン / 2025年1月30日 16時0分

細かなフレームに分けてあると、一見、高度そうに見えますが、いざやろうと思うと、何をどこに分類していいのかわからなくなることもあります。

論文を書く研究者や、高度な思考を求められるコンサルタントなど、よりレベルの高いアウトプットをしなければならない人であれば、さまざまなフレームを使いこなさないといけないのかもしれません。でも、多くの場合、そこまでハードルを上げなくてもいいのではないかと思いますし、複雑すぎると続かなくなることもあります。

そう考えると、やはり、分けるためのコストが最も少なく、シンプルで、日常的に続けやすい「1本線」という方法が一番であるといえます。

「1本の線」で何が起きるのか?

メモに線を1本引く。「たったそれだけ?」と思われるかもしれませんが、実際にやってみると、次のような3つの変化が起こると思います。

1.「1本の線」で自然と世界が分かれる

たとえば、何もない真っ白な画用紙に横に線を1本引くだけで、地面と空に分かれたように感じます。休み時間のドッジボールでも、校庭に線を1本引くと、すぐに味方チームと相手チームに分かれます。

このように、私たちは線を引くことで、線のこちら側とあちら側は違う世界、つまり「違うことを書く場所」なのだと、目で見て自然と意識することができます。

紙にただ書こうとすると、事実も感情もごちゃっと混ざり合ったメモになりがちですが、線の左側と右側はそれぞれ「違うことを書く場所」だと意識できれば、整理しながら書くことができますし、あとから見直したときもわかりやすくなります。

2.「1本の線」でメタ的視点が手に入る

最近、「メタ思考」や「メタ認知」という言葉が、ビジネスや教育の分野でも注目されています。簡単にいうと、「ものごとを俯瞰して客観的にとらえる」ということです。

自分が置かれている目の前の状況にばかり意識が向いているときや、イライラ・モヤモヤした感情のまっただ中にいるようなときは、つい視野も狭くなり、全体を把握してよりよい考えにたどりつくことが難しくなります。

線を1本引いて世界を分けることで、自然と、空を飛ぶ鳥の目のような「俯瞰する視点」が生まれ、両方の世界を客観的に見られるようになります。

先ほど、「分ける」ことが「考える」ことの第一歩という話をしましたが、分けることによって、自分の置かれた状況や、考え・気持ちを客観的(メタ的)に見ることができるようになります。だからこそ、より整理して考えることができるのです。

自分に質問を投げかける

3.「1本の線」の向こう側を埋めたくなる

メモに1本線を引いて、左側を埋めると、右側が真っ白に残ります。すると、なんとなくもったいないような、不思議な気持ちになります。

それは、心理学の分野で提唱されている脳の三大原則の1つに、「空白の原則」というものがあって、脳には、空白を見るとそれを埋めようとする働きがあるからだそうです。

つまり、左側に事実を書いて、右側が空白になることで、「何か書こう」「考えよう」という意識が自然と働き、アイディアや言葉が出やすくなるのです。

ちなみに、私たちは、質問を投げかけられると一瞬「わからない」という脳の空白ができて、それを埋めるために答えを探そうとするそうです。

メモを書くときも、「自分はどう感じる?」「どうしたらいいと思う?」と自分に質問を投げかけることで、さらに言葉が出てきやすくなります

佐野 雅代:元裁判所書記官、英語発音指導士

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