「炎症数値が正常の300倍」時のリアルな体の状況 森永卓郎さんの闘病姿勢に勇気をもらった
東洋経済オンライン / 2025年2月1日 10時30分
しかし、今回は違う。何しろ3度の食事と看護師による血圧測定などの処置時以外、ほとんど睡眠中で、時に病室を揺るがすような大きないびきをなさるのである。最初のうちはワイヤレスイヤホンを耳にあてがって対処していたが、不思議なものでそのうちに慣れてしまい、あまり気にもならなくなっていった。
緩和ケアを取り入れる段階に
結局、1月の入院は10日間に及んだ。この間、新たな動きとしては主治医の提案で緩和医療チームの方々が病室を訪れて、骨転移に伴う痛みの聞き取りをされ、それに適合する痛み止めを準備してくれたことだ。
神経性の痛みを和らげる「タリージェOD錠」と、強い痛みを和らげる「オキシコドン徐放錠」である。注目はオキシコドン。オピオイド系の鎮痛剤のひとつで、医療用麻薬として取り扱われる薬剤だ。
こうして抗がん剤治療を続けていく中で、緩和ケアを取り入れるという新たなステップに進んだのである。
緩和ケアというと終末期医療という認識を持つ方が多いと思うが、それは誤解である。そのあたりは別の機会に詳しく触れたいと思う。筆者自身は、患者のQOL(生活の質)改善のためにも早期の段階で緩和ケアに乗り出すことが必要だと考えている。
森永卓郎さんの闘病姿勢に勇気をもらった
この原稿に取り掛かる直前、ニュースで森永卓郎さんの死を知った。ついこの間まで精力的にラジオに出演されていたのに、ご本人も語っていたがあまりの急変に驚いた。筆者は、昨年3月に膀胱がんが見つかってからというもの、常に森永さんの闘病姿勢に励まされ、勇気を与えられてきたように思う。
今から10年前、2014年12月に出した『分煙社会のススメ。』という本づくりの過程で森永さんを取材した。
好きなたばこをくゆらせながら「新自由主義の広がりが嫌煙運動に拍車をかけた」「ヒトラーもムッソリーニも強烈な禁煙運動を進めました。豊かな社会というのは、本当に多様な意見の人がいて、それをみんなが許しあう、認めあう社会だと思います」と語っていた森永さんの姿が忘れられない。
合掌。
山田 稔:ジャーナリスト
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