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「カワイイ」で攻める!ドラッグストアの超絶改革 あのウエルシア薬局が大幅にイメチェンした理由

東洋経済オンライン / 2025年2月3日 12時30分

こうした新しい取り組みで、徐々に他店にない変化が見られるようになっている。

1日のうち、来客が次第に多くなる時間帯は午後3時ごろ。学校帰りの小学生たちがお菓子やカプセルトイを目当てに店を訪れ、次第に中学生や高校生たちも化粧品を見にやってくる。続いて大学生なども訪れ、夕方ごろが店内が最もにぎやかになる時間帯だ。

一方で、流行に合わせた品ぞろえを維持するためには、他店よりも頻繁に商品を入れ替える必要がある。商品の選定に関しても、店長や店員が主体的に関わるためには、品出しなどの店内業務を効率化し、リサーチや情報収集の時間を確保していくことも重要だ。

「すでに発注作業の99%がAIによる自動発注だが、自動発注を使いこなすための知識やマニュアルの整備などに課題がある。商品選びや入れ替えについても、実験店舗ということで今までの経験が生かされない。手探りの状態だが、他店にも応用できる方法をここから見つけたい」(梅本店長)

ウエルシアはなぜ、このタイミングで実験店舗を出店したのか。背景には会社の低成長への焦りがある。

ウエルシアHDの2024年3月〜11月期の決算は、売上高はたばこの販売停止の影響があったが、買収などが貢献し、前年同期比4.6%増の9519億円。しかし、営業利益は人件費の増加などで同26.5%減の228億円と厳しい結果だった。

特に気がかりなのが、既存店の動向だ。2024年3~11月期の既存店売上高は前年同期比で1.3%増。コロナ禍前は5%程度、その後も3%程度の成長を維持してきたが、今年度に入って急激に鈍化している。

移り変わるニーズをどうとらえるか?

ウエルシアはビジネスモデルが明確で、同じような店づくりを進めてきた。しかし、それが足かせとなり、新しい店舗の開発では出遅れてきた。そうした背景から実験店舗に取り組んでいるわけだ。

「既存店舗との差別化として思い切ったデザイン、品ぞろえの変更を実施した。あくまでもパイロット店舗で、これが完成形ではない。これまでにない目に見える変化を作ることが今後のウエルシアには必要で、その意味では大きな一歩といえる」(桐澤英明社長)

今バズっている商品を売り場にきっちりそろえることも簡単ではないが、SNSなどで流行の商品はめまぐるしく入れ替わり、ニーズもつねに変わっていく。

そうした難しさを乗り越えながら、どのように若い世代の心をつかみ、魅力的な店舗を作っていくのか。HAC BIOKA店では、今日も「カワイイ」を取り込む試行錯誤が続いている。

吉田 敬市:東洋経済 記者

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