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"都内第2の選挙区"を要求した「公明党」の腹の内 委員会決議からも退場、背後に秘めた思惑は?

東洋経済オンライン / 2025年2月3日 18時0分

だが自民党は、東京都連会長(当時)の萩生田光一氏に近い安藤高夫氏を同選挙区で擁立するつもりだったため、双方の話し合いは決裂。2023年5月25日の自公の幹事長・選挙対策委員長会談の後、公明党の石井幹事長(当時)は「東京での自公の信頼関係は地に落ちた」と言い捨てた。

しかし自公は同年9月4日、「次回の総選挙の結果も踏まえつつ、両党の選挙協力を更に進めるべく、次々回の衆議院選挙での東京小選挙区における公明党の2議席目の確保を両党の共通目標として、両党は誠実かつ真摯に取り組む」とする文書を交わし、公明党が「都内で2つ目の小選挙区」を得ることを約束した。

それを踏まえて、公明党の西田実仁幹事長は1月30日、「東京でもう1つの選挙区からわが党の候補者を擁立することについては、自民党が最大限努力すると約束している」と明言。そして東京21区について「われわれが望んでいない選挙区ではない」と含みを残した。

東京21区は公明票の多い八王子市の一部を含んでおり、第1次岸田文雄内閣で外務副大臣を務めた小田原潔氏が自民党の公認候補となるはずだった。だが、2018年から2022年までの5年間に1240万円の不実記載が発覚した小田原氏は、党の役職停止6カ月の処分を受けたうえ、昨年の衆院選では自民党本部からの公認を得ることができずに落選した。

とはいえ、公明党の狙いは東京21区に限らないようだ。公明党関係者は「われわれは自民党の現職がいない小選挙区を探している。目黒区と田園調布など大田区の西部を含む東京26区もターゲットになっていた。しかし、同選挙区で当選した松原仁氏が自民党入りするかもしれないとの話が出たので、26区はいったん消えた」と明かす。同選挙区には自民党から今岡植氏が出馬したが、松原氏の得票数の63.39%しか獲れず、比例復活も叶わなかった。

委員会決議から退場した公明党の思惑

衆議院予算委員会は1月30日、自民党の裏金問題をめぐって清和政策研究会(旧安倍派)の事務局長だった松本淳一郎氏の参考人招致を決定したが、これに関する公明党の態度も興味深い。

当初は松本氏の参考人招致に賛成する予定だったが、本来なら全会一致で決議するところを、委員長の判断で51年ぶりに多数決としたことに反発して退場。採決に参加しなかった。

全会一致では、自民党が反対しているため参考人招致は不可能になるうえ、そもそも松本氏自身が参考人招致を拒否している。よって、公明党がどういう投票行動に出ようと、参考人招致が実現することはなかった。にもかかわらず、あえて自民党とは別の行動に出たのは、6月の都議選や7月の参院選で公明党が「政治とカネ」の問題と無関係であることを示す必要があったからだ。

宗教団体を支持母体とする公明党の選挙のキーワードを挙げるとするならば、「クリーンさ」と「完璧」になるだろう。前者が欠ければ支持者は離れ、後者を求めて支持者は動く。党勢の回復のために公明党は、原点に立ち返らなければならない。

安積 明子:ジャーナリスト

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