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JR各社またぐ「直通列車」はどのくらい減ったのか 50年間の時刻表で見えた新幹線と在来線の違い

東洋経済オンライン / 2025年2月4日 6時30分

1990年以降の数字を見ていくと、大きく数が減っているのは、中小国を通るJR東日本とJR北海道の直通列車、熱海を通るJR東日本とJR東海の直通列車、直江津を通るJR東日本とJR西日本の直通列車、米原を通るJR東海とJR西日本の直通列車、下関を通るJR西日本とJR九州の直通列車となっている。

これらの列車が減った要因はハッキリしている。新幹線の開業と高速化だ。九州新幹線、北陸新幹線の開業による在来線特急から新幹線へのシフト、長距離の利用客が夜行列車から新幹線へシフトしたことで各社間を直通する特急・急行列車が激減した。

では、その新幹線の直通本数はどうなっているのか。

新幹線が東京―岡山間しか開業していなかった1975年1月号の時刻表を見ると、新幹線の本数は今よりもかなり少なめ。その後博多まで延伸されると一気に本数が増えるが、飛行機と利用者獲得を競る時代となると本数が微減。その後「のぞみ」の登場などでスピードアップが図られると直通本数は再び増加した。

九州新幹線の開業で新大阪―鹿児島中央間で直通運転が始まったことで、東海道新幹線と山陽新幹線の直通運転が少し減るものの、山陽新幹線と九州新幹線の直通運転が増え、東京―新大阪―博多―鹿児島中央の間の各社間の乗り入れは両区間合わせて182本と乗り入れが盛んになっている。

2015年3月、長野―金沢間の北陸新幹線が開業したことによって始まったJR東日本とJR西日本の直通運転、2016年3月、新青森―新函館北斗間の北海道新幹線が開業したことによって始まったJR東日本とJR北海道の直通運転は、本数に大きな増減はないが、在来線時代の直通運転の特急の本数と比較すると、ほぼ変わらない数字といえるだろう。

普通・快速列車の本数を調べたデータがこちらだ。

国鉄末期の1985年とJR初期の1990年を比較すると、特急・急行同様、青函トンネル、瀬戸大橋効果で直通列車が増加。さらに国府津駅を通って東海道本線―御殿場線を直通する列車、辰野駅を通って中央本線と飯田線を直通する列車が増えていた。関門トンネルを通って本州と九州を直通する列車や、亀山を通って関西本線を東西に行く列車などは減ったものの、全体的に直通列車は増えているといえる数字だ。

JRになった後の数字を追うと、直通運転を休止したのは、新幹線開業が要因の津軽海峡区間を除くと、国府津を通るJR東日本とJR東海の直通列車、南小谷を通るJR東日本とJR西日本の直通列車、猪谷を通るJR東海とJR西日本の直通列車、米原を通るJR東海とJR西日本の直通列車、下関を通るJR西日本とJR九州の直通列車となっている。また、大幅に本数が減ったのは熱海を通るJR東日本とJR東海の直通列車だった。

車両の制約で直通運転を休止する例も

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