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独VW、主力の中国で販売「300万台割れ」の窮地 弱点の車載ソフトウェアで中国勢との協業強化

東洋経済オンライン / 2025年2月4日 18時0分

VWグループは中国市場への依存度が高く、失地回復を図らなければ経営の屋台骨が揺るぎかねない(写真は同社中国法人のウェブサイトより)

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループが、最重要市場の中国で苦戦している。同社が1月14日に発表した2024年の販売実績によれば、中国市場での販売台数は前年比9.5%減の292万8000台にとどまり、300万台の大台を割り込んだ。

【写真】VWグループ中国法人を率いるブランドステッターCEO

さらに、中国市場での不振が足を引っ張る格好で、VWグループの2024年のグローバル販売台数は902万7000台と前年比2.3%減少した。

VWグループは世界の自動車大手の中で最も早く中国市場に参入した1社であり、長年にわたってシェアトップに君臨。ピークの2019年の販売台数は432万台に達した。

販売台数が5年で3割減

だが、5年後の2024年の販売台数はその7割に縮小。同年に383万9000台を販売した中国メーカーのBYD(比亜迪)に首位の座を明け渡した。

中国では、世界の主要市場に先駆けて急速なEV(電気自動車)シフトが進んでいる。だが、大部分の外資系メーカーはその流れに乗り遅れ、BYDなどの中国勢の躍進を許した。

そんな中、VWグループの対応は(他の外資系メーカーに比べて)相対的に早かった。だが、同社のEVは(先進運転支援システムやスマート・コックピットなどの)車載ソフトウェアの機能が中国メーカーに見劣りし、消費者の評価を得られていないのが実態だ。

「2024年の中国市場は価格競争が熾烈だった。わが社は採算度外視で量を追うことはしない。販売実績は想定通りだ」

VWグループ中国法人のラルフ・ブランドステッターCEO(最高経営責任者)は1月13日、財新を含む複数メディアの取材に応じてそう述べた。

同CEOは、中国市場の価格競争は2025年も緩まず、さらに激しくなる恐れもあると予想する。しかし、VWグループは引き続き利益の確保を最優先に考えて事業に取り組むという。

とはいえ、VWグループは中国市場での失地回復を諦めたわけではない。

「今や中国は世界の自動車産業におけるイノベーションの中心地になった。わが社は中国での研究開発能力の強化、製品の競争力向上、コストの最適化を不断に推し進め、中国市場の競争に立ち向かう」(ブランドステッターCEO)

成長軌道に復帰できるか

VWグループは弱点である車載ソフトウェアの技術を補うため、(その分野で先行する)中国企業との協業を拡大・強化している。

新興EVメーカーの小鵬汽車(シャオペン)と「電気/電子(E/E)アーキテクチャー」の共同開発を進めているほか、今後投入する新型車にAI(人工知能)スタートアップ企業、地平線機器人(ホライゾン・ロボティクス)と共同開発した先進運転支援システムを搭載する予定だ。

ブランドステッターCEOは、そのような事業戦略の再構築をテコに成長軌道への復帰を目指している。中国市場における中期目標について、同CEOは次のように明かした。

「われわれは、中国の乗用車市場の規模が2030年に2800万台に達すると予想している。その時点で15%前後の市場シェアを確保し、年間350万台を販売したい」

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は1月14日

財新 Biz&Tech

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