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経済戦争渦中の「石破首相訪米」は危険な賭けに 安倍元首相がトランプ氏と築いた関係は再現できない

東洋経済オンライン / 2025年2月5日 16時30分

トランプ大統領の誕生が日本に与える最大の影響について尋ねられた元外務省高官は、第1次トランプ政権との交渉に深く関わった経験から、「関税」と一言だけ答えた。

日本は今のところ、トランプの関税リストには入っていない。次点は欧州連合(EU)で、メキシコとカナダへの関税は1カ月間一時停止されただけだ。中国に課された10%の関税も、何らかの交渉につながるかもしれない。しかし、これらの一時停止が一時的なものであると判明した場合、日本はトランプ大統領が仕掛けた経済戦争の事実上の被害者となる。

日本が関税で直接打撃を受けないとしても、おそらく広範な世界共通関税という形で、この週末にメキシコ、カナダ、中国に対して発表された関税の間接的な犠牲者となっている。

国境を越えた25%の関税は、トランプ大統領の第1期目に交渉された貿易協定を事実上解体するものだ。その枠組みの中で、日本企業はメキシコとカナダの両方に何百もの工場を設立し、統合された北米のサプライチェーンを構築してきた。メキシコだけで約1300の日本企業が操業している。

日本企業だけでなく、アメリカ企業や韓国企業もこの関税の影響を真っ先に受けるだろう。これらの企業はすべて、カナダとメキシコの両方で工場を運営しており、アメリカ市場に輸出する自動車を組み立てるだけでなく、アメリカ国内の工場に供給する重要な自動車部品も生産している。

すでに課せられている関税に加え、対中関税は中国を輸出製造拠点としている日本企業にも影響を与えるだろう。中国との貿易戦争が激化すれば、もちろん中国の成長により大きな影響を及ぼし、中国市場向けに生産する日本企業にも打撃を与えるだろう。

中国との対立は激化するのか?

東京の一部では、アメリカの政策立案者たちと同様に、日本が反中対決のアンカーとしての役割を果たすことで、日本がトランプ大統領の悪者リストから外れることを期待している。

トランプ政権では、マルコ・ルビオ国務長官やマイケル・ウォルツ国家安全保障顧問など、中国にタカ派的な見方をする伝統的な保守派が要職に就いている。そのような対立の枠組みの中で、「アメリカは日本や他の地域のパートナーとの安全保障上の結びつきを強化することに目を向けるかもしれない」と第1次トランプ政権の元国防当局者ランダル・シュライバー氏は予測する。

また、トランプ大統領が中国の習近平国家主席との「グランド・バーゲン」、つまり日本を事実上排除した中国との「G2」の新バージョンを選ぶのではないかと懸念する向きもある。しかし、ほとんどの専門家はその心配を否定している。

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