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中国の石炭生産量「過去最高更新」も伸びは鈍化 再エネ発電の急増や不動産不況で需要頭打ち

東洋経済オンライン / 2025年2月6日 18時0分

中国の石炭生産量は4年連続で40億トンを超えた。写真は新疆ウイグル自治区の露天掘り炭鉱(国家能源集団のウェブサイトより)

中国の石炭生産量が4年連続で過去最高を更新した。中国国家統計局が1月17日に発表したデータによれば、石炭業界の主要企業による2024年の原炭生産量は47億6000万トンに達し、前年比1.3%増加した。

【写真】広東省の輸入炭専用埠頭

国内産石炭の安定供給を維持する中国政府の政策の下で、石炭生産量は2021年に初めて40億トンを突破。それ以降の生産量の伸び率は2021年が前年比4.7%、2022年が同9%、2023年が同2.9%であり、2024年の増加幅が最も小さかった。

輸入量も過去最高記録

2024年は海外からの石炭輸入量も過去最高を記録した。国際価格の値下がりが呼び水になり、輸入量は5億4000万トンと前年比14.4%増加した。

石炭の国内生産と輸入が増えた一方で、需要は伸び悩んでいる。信達証券の調査レポートによれば、2024年1月から10月までの石炭の国内消費量は推定約39億8000万トンと前年同期比1%の微増にとどまった。

そのうち電力業界の(火力発電用の)消費量は23億3000万トン、前年同期比の増加率は1.2%だった。伸び悩みの裏には太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギー発電の急増がある。

国家統計局のデータによれば、一定規模以上の発電所による2024年1月から11月までの発電量は前年同期比6.14%増加した。この増加分の7割以上をクリーンエネルギー発電(訳注:太陽光、風力、水力、原子力などによる発電)が占めている。

発電以外の石炭需要に目を転じると、化学工業セクターの需要は引き続き好調を維持し、2024年1月から10月までの石炭消費量は前年同期比7.7%増加した。

それとは対照的に、不動産不況(による新規着工減少)の影響が深刻な鉄鋼業界やセメント業界の需要は低迷している。同じ期間の石炭消費量は鉄鋼業界で3.3%、セメント業界で7.4%それぞれ減少した。

石炭相場は弱含みで推移

供給の増加と需要の停滞を背景に、中国国内の石炭相場は下落している。1キログラム当たり発熱量5500キロカロリーの発電用石炭のスポット価格は、2024年初めの1トン当たり932元(約1万9800円)から、同年末には同767元(約1万6300円)に低下した。

こうした現状から、前出の信達証券は2025年の国内炭の生産量が前年比1%前後の微増、海外炭の輸入量は前年比横ばいにとどまると予想している。

石炭相場も弱含みで推移しそうだ。国信証券は調査レポートの中で、2024年末時点の石炭在庫がすでに高水準にあることや、2025年も供給が需要を上回る見通しであることから、市場価格はゆるやかな下落が続くという見方を示した。

(財新記者:廬羽桐)
※原文の配信は1月18日

財新 Biz&Tech

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