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X、ダイソン、ルンバを成功に導いた"ある共通点" 必要だとわかっていても難しい「独自性」の作り方

東洋経済オンライン / 2025年2月7日 17時45分

手動→自動

となる。この公式にはひとつだけ注意点がある。それはA(常識)とB(新常識)を対義語、つまり真逆の単語でシンプルに記述することだ。対義語で考えることで、強制的に思考を単純化することができ、アイデアの本質が浮きぼりになる。

この公式からアイデアを生むのには以下の3つのレベルがある。

L1 理解:公式を理解する
L2 記述:新常識を公式で記述する
L3 発想:新常識からアイデアを発想する

あなたはもう既にL1をクリアしている。「公式A→B」と「対義語で示す」、この2点が理解できればOKだ。

L2では、具体的なアイデアに対する新常識を公式で記述できるようになる必要がある。いくつかイノベーティブな商品やサービスを例に挙げるので練習してみよう。

ダイソンとXの新常識とは

ひとつめはダイソンの扇風機だ。公式に従ってA(常識)→B(新常識)で記述してみてほしい。対義語で記述することを忘れずに。答えは、

羽根あり→羽根なし

次のような記述の仕方もあり、短い単語で、記述しやすいほうを選択すればよい。

羽根(着眼点):あり(常識)→なし(新常識)

続いてはジャンルを替えて、SNSにしよう。X(旧Twitter)の新常識を記述してみてほしい。今では当たり前のサービスだが、リリース当時はどのような新常識があっただろうか。ヒントは、当時はFacebookやmixiが主流であった、だ。答えは、

投稿コンテンツ:大→小

もう少し具体性を持たせて、

文字数:多→少

としたほうが分かりやすいかもしれない。

Xの特徴のひとつは、投稿の文字数が140文字に制限されていることだ。これはイノベーションと呼ぶに相応しい新常識だったのだが、理解できるだろうか。当時は、ブロードバンド普及の真っ只中であった。それに伴い、テキストだけでなく画像も投稿対象となった。この流れは加速すると誰もが考え、テキスト→画像→動画と進んでいくのは必然だと思われていた。公式で表現すると、プアコンテンツ→リッチコンテンツというトレンドとなる。

このトレンドに対してXは、140文字という制限を行なった。にもかかわらず、現在の一日のアクティブユーザは2.5億人(2024年3月18日現在)。当時のトレンドと真逆の投稿スタイルを提示し、巨大SNSプラットフォームとなった。まさに着眼点で勝負が決まった事例である。このように、新常識は従来の常識の反対側にあるものだが、それが出た後には「当たり前」に思われているものである。だからこそ新「常識」なのだ。

今井 裕平:ビジネスデザイナー

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