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ホンダとの統合は破談へ、日産「自主再建」の茨道 「単独」で将来描けず、感情的決裂は両社に痛手

東洋経済オンライン / 2025年2月7日 8時0分

国内大手自動車メーカー同士の経営統合は幻に終わった(写真:梅谷秀司)

世紀の経営統合は協議開始からわずか1カ月半で瓦解した。

【写真】昨年12月23日の記者会見。両社社長の距離感は経営統合の先行きを暗示していたかのよう

日産自動車の内田誠社長は、2月6日午前、ホンダ本社を訪れ三部敏宏社長に「子会社化案」への反対意見を伝えた。事実上、経営統合協議は打ち切られることになる。

子会社化提案が破談の決定打に

複数の関係者によると、従来の持ち株会社傘下に2社が入る形ではなく、日産を子会社化する案をホンダが日産に打診。ホンダ主導がより明確になることで、経営の自主性が失われることに対して、日産側の反発が高まったことが決定打になった。

その前日、2月5日午後に開かれた日産の臨時取締役会に、経営統合の協議打ち切りが提案された。この日の取締役会では正式決定はなされなかったものの、ホンダとの経営統合を白紙に戻す方針を確認したという。

数日前から「ホンダによる日産への子会社化提案」といった観測報道が出るようになり、5日未明からは「統合破談へ」といった速報が相次いでいた。5日16時半には日産、ホンダが「報道の事実も含めてさまざまな議論を進めている段階であり、2月中旬をメドに方向性を定めて発表する」とコメントを出した。

両社は昨年12月23日、持ち株会社を新たに立ち上げ、2社が傘下に入る形での経営統合の協議を始めると発表した。最終契約書締結は2025年6月、統合に向けて協議を継続するかの判断を2025年1月末までに行うとしていた。

ただし、ホンダは日産の経営再建を統合の条件としていた。主力の北米、中国事業の苦戦で日産の業績は急悪化。12月の会見でホンダの三部社長は「日産とホンダが自立した会社として成り立たなければ、経営統合は成就しない」と念を押していた。

日産は昨年11月、世界で生産能力を20%削減し、9000人の人員削減を行う「ターンアラウンド」計画を公表。その具体策として、アメリカやタイでの人員削減などが俎上に上がった。しかし、日産の経営陣は国内を含む生産工場や人員の抜本合理化には慎重で、年が明けると社内でも「改革は足踏みしている」という声が聞こえるようになっていた。

さらにホンダと日産の間で、統合比率をめぐる議論もまとまらなかった。両社は1月末をメドとした協議継続の判断を2月中旬まで後ろ倒しにすると明らかにしていた。

お互いへの不信感は募っていた

「日産の意思決定はどうなっているんだ」。ホンダ幹部は2025年の早い時期から日産への不満を表に出していた。一方、日産幹部も「ウチしか相手がいないのになぜホンダは上から目線なのか」と憤っていた。

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