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「頑張ればできる」が子どもを追い詰める残酷理由 子どもの可能性を奪ってしまう「親の口ぐせ」

東洋経済オンライン / 2025年2月8日 15時30分

メタ認知能力は、幼少期の親の接し方に大きく影響を受けると考えられています。

たとえば、

・できて当然だと言われてきたことができずに責められた

・ 何かに挑戦してうまくいかなかったとき、その失敗をわかっていたかのような態度をとられた

といった経験を何度もすると、子どもの能力の成長が妨げられてしまいます。

「なんでこんなこともできないの?」

「やっぱりね……」

「ほら、だから言ったじゃない」

これらの言葉を口ぐせのように発してしまうと、子どもの自信の根っこが徐々に腐ってしまうかもしれません。

「頑張ればなんでもできる」という言葉の呪い

例えば、ある女性は、幼少期から母親に「頑張ればなんでもできる」と繰り返し言われて育ちました。この言葉に励まされ、学生時代はさまざまなことに挑戦し、努力を続けることができたそうです。

しかし成長するにつれ、どんなに努力しても超えられない壁、圧倒的な才能やセンスを持つ人々と出会うことで、この言葉が次第に重荷となっていきました。

「頑張ってもできないのは、私の努力が足りないせいだ」

「この程度で諦める私は、ダメな人間だ」

と自分を責めるようになり、ついには何も手につかなくなる時期もあったといいます。

今でこそ彼女は、「苦手なことは無理に頑張らず、得意なことを伸ばせばいい」「心が苦しくなるくらいなら諦めてもいいし、誰かに頼ってもいい」と思えるようになりました。しかし、当時の彼女にはその柔軟な考え方ができなかったのです。

言葉そのものは、全く問題がない。

きっと親御さんは「努力の大切さ」を伝えたかったのでしょう。難しいのは、自分にプラスに響く言葉が、必ずしも子どもにも同じように働くわけではないということです。親が好む言葉であっても、子どもには響かないどころか、場合によってはマイナスに働くことすらあります。

子育ての醍醐味のひとつは、「今、この子にとってどんな言葉がプラスに働くのか」を興味深く観察しながら声をかけていくことなのではないでしょうか。

子どもにとって親は「世界そのもの」

いずれにしても、子どもは親に認められたくて必死に生きています。小さな子どもにとって、親はまさに世界そのもの。親はとても大きな存在であると意識しておくことが大切です。

この方のケースでは、言葉の影響だけでなく、子どもが頑張っている姿をもっと褒めてあげることができたら、さらに良かったのかもしれません。

「あなたも頑張っているから、私ももっと頑張ろう!」

そんなふうに声をかけてあげると良いのではないでしょうか。

馬場 啓介:トラストコーチングスクール/マザーズコーチングスクール代表

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