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iPhone初ポルノアプリは混沌の始まりに過ぎない EUのアプリマーケット開放で違法コンテンツ拡散の懸念

東洋経済オンライン / 2025年2月11日 8時30分

DMAによる規制によってアップルが代替ストア(AltStore)に対してアプリの配布を停止することができなくなっただけであり、“黙認=認めた”と受け取るようなメッセージを出すのは明らかなミスリードだ。

前述したように日本でもスマートフォンアプリの配信に関する規制が見直され、代替ストアの導入が議論されている。ポルノに限らず、どのような倫理基準に従い、誰がその基準を決めていくのか。代替ストアの運用に関する規制議論は、まだ十分とは言えない状況だ。

EUがDMAを導入した狙いは、競争の促進とエコシステムの多様化にあるとされる。大手IT企業の独占的な立場を緩和し、新興のマーケットプレイスやサービスが参入しやすい環境を整えるのが目的だ。

しかし、DMAによりコンテンツ管理が行き届かなくなり、ハードコアポルノアプリが登場する事態に至っている。

自浄作用に任せられない背景

AltStoreは元は有料サービスだったが、Epic Gamesから資金提供を受けたことで、年間のサブスクリプション料金を無料化した。無料化とFortniteの存在が、この代替ストアの露出をさらに高めた。

このまま規制が不十分な状態で代替ストアの利用が拡大すれば、ハードコアポルノ以外にも詐欺アプリや違法・不適切なコンテンツが流通しやすくなる。アップルが持つ安全対策をかいくぐる形で配信されるアプリが増え、ユーザーのモラルやセキュリティをめぐる問題が深刻化するだろう。

日本においてもEUの事例を対岸の火事とせず、類似の問題が起きる可能性を早期に認識し、どのようにユーザーと社会を守る仕組みを作るかが重要だ。

スマートフォンが日常生活のインフラとなった今、競争促進とモラル・安全性のバランスを取ることこそ、各国の規制当局や業界関係者に課せられた大きな課題である。

本田 雅一:ITジャーナリスト

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