日本で「バレンタイン=チョコ」が浸透した事情 世界を見渡してもめずらしい状況になっている
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 13時0分
そんな日本でチョコレート産業が芽生えたのは、1899年、アメリカで西洋菓子の製菓技術を学んだ森永製菓(以下、森永)の創業者・森永太一郎さんが帰国してからのことです。
森永太一郎さんが作った「森永西洋菓子製造所」(現在の森永製菓)は、いち早くチョコレートクリームを製造して販売し、1909年には、日本初の板チョコレート「1/4ポンド型板チョコレート」を発売しました。
さらに、森永は1918年、日本で初めてカカオ豆からチョコレートの一貫製造をスタートしました。これによって、チョコレートの大量生産が可能になったのです。その後、明治製菓(現在の明治)が森永につづき、1926年にカカオ豆からチョコレートの一貫製造を開始しました。
両社がチョコレートの大量生産を始めたことで、多くの日本人にチョコレートが届くようになり、消費量も次第に増加していったのです。 第2次世界大戦中はチョコレートの製造がストップしたものの、戦後には再開します。
チョコレートの人気は、雑誌や新聞広告を通じて広がっただけではありません。1951年に民放ラジオの放送が始まり、1953年にはテレビ放送もスタート。放送メディアによっても、その魅力は全国に伝わっていきました。
日本のバレンタインが始まったきっかけ
さて、2月14日はバレンタインデーです。
日本のバレンタインデーは、昭和時代に「女性が男性にチョコレートを贈り、愛を伝える日」として定着しました。そして近年は、「チョコレートを通じて愛情や感謝を表す日」へとシフトしつつあります。
世界を見渡してみても、バレンタインがこれほどチョコレートと深く結びついている国は、じつは日本だけです。
日本でバレンタインデーとチョコレートが結びついたのは昭和初期、1930年代のことです。
1932年、神戸でチョコレートを製造・販売していた神戸モロゾフ製菓(現在のモロゾフ。以下、モロゾフ)が、自社のカタログにバレンタインギフト向けのチョコレートを掲載しました。
モロゾフがバレンタインデーとチョコレートを結びつけたきっかけは、当時の創業者が、欧米には2月14日に愛する人に贈り物をする「バレンタインデー」という習慣があると知ったことでした。
さらにモロゾフは、1935年2月、英字新聞『ジャパン・アドバタイザー』にバレンタインチョコレートの広告を掲載しました。広告には英語で「バレンタインデーには、愛する人にチョコレートを贈って愛を伝えましょう」というメッセージが添えられていました。
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