石破・トランプ会談「成功」評価に欠ける重要視点 目先の問題は回避されたが100点満点ではない
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 7時0分
トランプ大統領は7日の記者会見で、「安倍晋三元首相は、石破氏のことを高く評価していた」と述べた。だが、安倍元首相と石破首相は犬猿の仲だったというのは有名だ。
さらに言えば、首相在任中の安倍元首相がわざわざトランプ大統領に、石破首相について言及したとは思えない。当時の石破氏は、首相の座から遠い存在とみなされていた。
にもかかわらず、トランプ大統領から石破首相に対して好意的な言葉が発せられたのは、昭恵夫人から石破首相について聞いたからに違いない。昭恵夫人は昨年12月にトランプ大統領夫妻と会食し、安倍元首相をしのぶとともに、以前からの親交を温めた。
ちょうど石破首相の訪米時期についても、話題になっていたときだった。安倍元首相はトランプ大統領が2016年11月8日に初当選したわずか9日後、就任前のトランプ氏と私邸で面談した。45分間の予定が1時間半にも及び、個人的信頼関係は確固たるものになった。
石破首相もそれにあやかろうと早期の会談を望んだが、大統領就任前の面会は時期早々と判断され断念した。しかし、それがかえってよかったのかもしれない。石破首相にとって「トランプ対策」の時間は十分にとることができたからだ。
外交、防衛、経済、貿易、農業などの各担当者が入れ替わり立ち替わり、石破首相にレクチャーした。レクは休日にも行われ、のべ30時間以上に及んだという。石破首相にとってトランプ大統領との会談は、まさに政治生命を懸けたものだったに違いない。
首相として初の訪米には佳子夫人は同行しなかったが、昭恵夫人が「内助の功」を果たしたといってよい。もっとも昭恵夫人にすれば、トランプ夫妻との面談は日米首脳会談の「露払い」のつもりだっただろうが、トランプ大統領にとって“親友で盟友”の安倍元首相の夫人の言葉は、安倍元首相自身の言葉として受け止めたはずだ。
もちろん石破首相は現在のところ、トランプ大統領から安倍元首相ほどの信頼を得られたわけではないだろう。例えば、共同会見後にトランプ大統領が石破首相を顧みることなくさっさと会場を立ち去った点には、そうした「隙間」も感じられた。
それでも、新たな共同声明は「日米関係の新たな黄金時代を追求する」と題され、日米同盟を「インド太平洋およびそれを超えた地域の平和、安全、繁栄の礎としてあり続ける」と改めて確認した。そして「台湾」については、これまでよりも踏み込んでいる。
さらに踏み込んだ共同声明の中身
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