花粉が大量飛散した年は「株価」に何が起こるのか 2005年からのデータを検証してみた結果
東洋経済オンライン / 2025年2月13日 11時0分
今年の花粉飛散予測については、民間の気象予想会社・ウェザーニューズの発表によれば、直近の公表データから「飛散量は平年比1.5倍以上」となっています。実際、1月8日に東京都は、調査を開始した1985年以来で最も早い花粉の飛散開始を発表しました。
今や2人に1人以上が花粉症との調査結果もありますが、多くの方が関心を持つテーマなだけに、花粉量と株式市場とは深い関係があります。今回は花粉量と株価のジンクスを解説します。
花粉飛散量と株価の意外な関係
毎年、1月に入りその年の花粉状況が気になり始めると、花粉が多いと見込まれる年は、花粉症対策関連株が注目されます。花粉症対策の薬や目薬の会社が代表的ですが、マスクや花粉症対策用のメガネ、お部屋の乾燥で花粉が飛びやすくなるのを防ぐ加湿器などの会社にまで幅広く注目が集まります。
実際に、これらのグッズ需要が高まると、花粉症対策関連の会社の売り上げが伸びて、利益も増えることが背景にあります。
花粉症対策関連株への投資家の物色が相場の牽引役となれば、株式市場全体の上昇も期待されます。そこで、過去のデータを使って、花粉量と株価との関係を調べてみました。
花粉量は、東京都保健医療局が公表している千代田区のスギ・ヒノキ花粉の年間累積値を用いました。対する日経平均株価の騰落ですが、2月から3月の2カ月間騰落率です。東京のスギ花粉のピークは2月下旬から3月、ヒノキ花粉は3月下旬から4月上旬です。であれば、3月から4月株価と対応しそうです。
しかし、株価は世間の動きに先行して動くので、1カ月早く「2月から3月の騰落率」が最も影響を受ける時期になります。
花粉量と株価の関係を過去データで検証
次の表は2005年からの集計です。各年を花粉量が「少ない年」「例年並み」「多い年」と3つに分類した場合をみています。
3つの分類でいずれも平均騰落率がプラスとなっているのは、過去の2月、3月相場は比較的好調に推移する傾向だったからです。しかし、そのなかで花粉量が「多い年」は0.8%と他の2つの分類と比較して、最も上昇が小さかったことがわかりました。
花粉症対策関連株が牽引して相場全体が上昇するのであれば、花粉量が「多い年」の上昇が大きくなるはずですが、実際は違った結果です。
また、表で花粉累積が1万個/cm2と、花粉量が「特に多い年(2018年と2005年の2回のみ)」の平均騰落率は-2.3%と下落しています。
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