損失増えるウクライナ軍の「エイブラムス」戦車 車体正面に旧ソ連製の装甲を追加へ
乗りものニュース / 2024年5月30日 11時42分
ドローン対策?
爆破反応装甲を正面に新たに追加
ウクライナの防衛系メディアである「ミリタヌイ」は2024年5月22日、防御力を強化したウクライナ軍のM1A1「エイブラムス」主力戦車が登場したと報じました。
このことは、ウクライナの大統領首席補佐官も務めるジャーナリストのセルヒー・レシチェンコ氏の公式インスタグラムの写真で明らかになったとのことです。
写真が公開された車両には、追加装甲の一種である旧ソ連製の「爆発反応装甲(ERA)」である「Kontakt-1」がシャーシ前面の下部と上部に装着されています。
これまで、ウクライナのM1A1「エイブラムス」は、側面の装甲強化のために、アメリカ軍も使用している純正の爆破反応装甲である「ARAT(Abrams Reactive Armor Tile)」を装備していましたが、今回はそれに加え正面の防御も強化された形です。
爆破反応装甲は、対戦車ミサイルなどで用いられる、成形炸薬弾への対策として装備されています。
成形炸薬弾は、着弾時の圧力により発生した液体金属の超高速噴流(メタルジェット)が装甲を貫通し車内にダメージを与えますが、爆破反応装甲では、その前に装甲内の爆薬が成形炸薬弾の圧力に反応し、起爆することで、メタルジェットの発生を阻害します。
M1A1「エイブラムス」は2023年9月にアメリカからウクライナに31両が供与されました。同車は旧式とはいえ、アメリカ軍が使用するM1A2に近い性能に改修したといわれていましたが、その期待に反し実戦投入直後から被害が相次ぎ、3分の1程度車両が失われ、後方に下げられたと報じられています。
現状、戦車同士の戦闘はあまり発生しておらず、M1A1「エイブラムス」の損傷や損失の殆どは対戦車地雷や自爆ドローンによる攻撃と言われており、突入してくるドローンからの損害を少しでも軽減したいという狙いがあるようです。なお、「Kontakt-1」はドイツから同じく供与された主力戦車「レオパルト2」にも装備されています。
【画像】確かに正面に箱が…これが「エイブラムス」に取り付けられた旧ソ連製の装甲です
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ロシア軍が「警戒を弱める」タイミングを狙い撃ち...ウクライナがドローン攻撃で戦車を次々に爆破する映像
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月8日 12時33分
-
堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっかり」でウクライナのドローン突撃を許し大爆発する映像
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月7日 17時30分
-
我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車が、平原進むロシアの装甲車2台を「爆破」する決定的瞬間
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月5日 15時45分
-
大損害を被ったウクライナ軍の「エイブラムス」戦車 ついに「鳥かご」装甲を追加へ
乗りものニュース / 2024年6月5日 6時12分
-
ロシアT-90戦車を大破させたウクライナ軍ドローン「精密」特攻...戦車の「弱点」を正確に撃破
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月31日 19時6分
ランキング
-
1春ドラマ女優ベスト3。“子宮を1000万で貸した貧困女性”も凄いけど、今クールの圧倒的No.1は
女子SPA! / 2024年6月24日 8時46分
-
2すき家の「ディストピア飯化」が密かに物議のワケ おっさん客がネットで激怒?も全然笑えない理由
東洋経済オンライン / 2024年6月24日 13時0分
-
3その食べ方太るかも!「1番痩せるオートミールの食べ方」を12㎏痩せた保健師が教えます
女子SPA! / 2024年6月24日 8時45分
-
4新幹線の自由席を「1人で2席分占領する」女性…ガタイのよい男性がとった“強硬手段”とは
日刊SPA! / 2024年6月23日 8時54分
-
5結婚式、若い女性から「ご祝儀の金額が負担」の声多数 - いくらならいい?
マイナビニュース / 2024年6月24日 10時46分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください