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ドシンと着陸→ンゴォォォォッ!!ってならない場合も? パイロット「逆噴射にもテクがある」

乗りものニュース / 2024年6月4日 16時12分

着陸するANA機(乗りものニュース編集部撮影)。

滑走路に着陸した旅客機は、大きな音を立てながら、エンジンカバーがパッカリと”割れて減速します。この要因が、エンジンの噴射方向を変える「逆噴射」というもの。しかし、この使い方にもテクニックがあるとパイロットは話します。

エンジンの噴射方向を変えて吹かす!

 滑走路に「ドシンっ」っという衝撃とともに着陸した旅客機は、さらに大きな音を立てて減速します。これは、エンジンの噴射方向を変える「逆噴射」を行っているためです。

 逆噴射のときは、多くの機種でエンジンカバーがパッカリと割れている様子が確認できます。しかし、この逆噴射、いつも同じように使用されているとは限らないようです。

 通常ジェットエンジンは、前から取り込んだ空気を後ろに噴射し推力を得ますが、逆噴射のときは、後ろに噴射する気流がせき止められ、その空気がエンジンの「割れ目」から吹き出ます。このことで進行方向と反対側の力が機体に加わり、機体のスピードを落とすというわけです。

 しかしとあるパイロットによると、着陸後の制動は、逆噴射装置のほかにも、スポイラーと呼ばれる主翼上の減速装置、タイヤのブレーキ、機体そのものの抵抗などが用いられるといいます。そして、近年は、あえてこの逆噴射推力を小さく、つまりアイドル状態にとどめる「リバースアイドル」という手法を用いて、減速を図るケースもあるようです。

 これはどのような条件で行われるのでしょうか。

「リバースアイドル」使えるケースと使えないケース

 同氏によると「リバースアイドル」は、滑走路の長さに余裕があり、天候も良い場合などで用いられるケースが多いのだとか。

 この目的は、燃料の消費量を抑えるためといいます。このほか、二酸化炭素の排出を削減したり、騒音を抑えたりする効果も期待できるとのこと。エンジンを進行方向でない場所へ吹かす必要がないぶん、こうしたメリットが発生するわけです。

 とはいえ、この「リバースアイドル」は、先述の条件が整ったからといって即座に実施できる、というわけでもないようです。

「リバースアイドルにすると、タイヤのブレーキにかかる負担が増えるため、着陸後のブレーキ温度が通常、逆噴射装置を使用した時よりも上昇します。ブレーキ温度が下がるにはある程度の時間が必要なので、その飛行機があまり時間をおかずに次の便として出発するようなケースでは、気温が高い日などはブレーキが十分に冷えきらずに出発することになってしまいます」

 そのため、とくに暑い日にリバースアイドルをする際には、次便までの時間やブレーキにかかる負荷に関係する機体重量、滑走路を離脱する誘導路までの距離に対応した自動ブレーキのセッティング(強いブレーキほど温度が上がる)といった点を、総合的に考慮して判断する、といったことが必要になるのだそうです。

【映像】日本じゃまず見られない! 逆噴射を利用した「旅客機の自走バック」

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