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何でここに駅…? 関西随一の“珍構造”駅に行ってみた 列車びゅんびゅん轟音で通過!

乗りものニュース / 2024年7月1日 7時12分

JR福知山線(画像:PIXTA)。

JR福知山線の武田尾駅は、橋の上にありながらトンネル内にもある不思議な構造の駅です。なぜこうなっているのか、現地を訪れてみました。

最初からトンネル&橋上だったわけではない

 日本全国には様々な“立地が不思議な駅”が存在します。例えば、ほぼ橋の上あるJR土讃線の土佐北川駅(高知県大豊町)や、長いトンネルの中にあるJR上越線の土合駅(群馬県みなかみ町)などです。そして、その両方の要素を兼ね備えたような駅が、兵庫県宝塚市にあるJR福知山線の武田尾駅です。

 同駅は相対式ホームの2面2線で、駅の大半は第一武田尾トンネル内に、残りの4分の1ほどは第二武庫川橋梁上にあります。歴史を見てみると、1899(明治32)年に阪鶴鉄道の駅として開業し、1907(明治40)年に国有化されました。2024年で開業125周年ということになります。なお福知山線に改名されたのは1912(明治45)年のことで、1988(昭和63)年からは「JR宝塚線」の愛称も付けられました。

 ただし、駅が現在の位置や構造になったのは1986(昭和61)年からです。福知山線の旧線は山間のV字谷に線路が通っており、武庫川の護岸工事や保線作業が困難なことから、生瀬~道場間で新線に切り替えられたという経緯があります。旧駅付近の集落に配慮して、駅をこの地に設ける必要があったわけです。

大阪から1時間以内で来られる

 武田尾駅は福知山線で最も利用者が少ない駅ですが、水上 勉の小説『櫻守』や、山崎豊子の小説『晴着』の舞台となった武田尾温泉への玄関口で、徒歩10分ほどの距離。武田尾の地名は、かつて豊臣秀吉に仕え、落ち武者としてこの地に潜伏していた武田尾直蔵にちなみます。

 また、ハイキングコースとなっている福知山線の旧線や、日本固有種のヤマザクラ、エドヒガン、カスミザクラなどが植えられた里山公園「桜の園」も近くにあるため、休日には観光客も利用します。

 駅の橋梁部分の高さは非常に高く、そこからは武庫川を一望できて風光明媚です。トンネル部分は広いホーム上に待合室と、その外にもベンチが配置されています。ベンチは一部向かい合わせですが、なぜか非常に広く座席間隔が取られています。

 トンネル内では特に、通過列車が走る時は轟音が鳴り響きます。なお、武田尾駅に停車するのは普通列車と区間快速だけなので、通過列車はそれなりの頻度でやってきます。

 改札口は1か所で、エレベーターやエスカレーターはありません。無人駅で自動改札機があります。改札外には自動券売機とトイレ、時刻表もあるようです。大阪駅からの所要時間は39~56分ほど。小旅行がてら訪問すると面白い駅だと思います。

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