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エンジンそこ!? ロシアの「超高く飛ぶ航空機」が異形すぎる件 でもなんか既視感が…!

乗りものニュース / 2024年6月14日 7時42分

ミャシシチョフM-55(画像:Vitaly V. Kuzmin.[CC BY-SA4.0〈https://x.gd/UwWrm〉])。

ウクライナ侵攻後に話題に上るようになった航空機のひとつが、ロシアの高々度偵察機・地球観測研究機ミャシシチョフM-55です。この機は異形のルックスが特徴ですが、西側のある航空機に似ている、とも言われています。

U-2「ドラゴンレディ」のソ連版?

 ウクライナ侵攻をめぐり、少し話題にのぼるようになった航空機のひとつが、ロシアの高々度偵察機・地球観測器ミャシシチョフ「M-55」です。この機はエンジンが胴体の左右にくっつくように設置され、ユニークな翼の構成を持つ、異形のルックスが特徴です。なぜこのようになったのでしょうか。

 M-55は旧ソ連時代、米国の軍事偵察気球の迎撃を目的に開発されたM-17のエンジンを2基にする改良が行われ、1988年に初飛行。しかし、ほどなく米ソ冷戦は終わり、その後は高々度偵察機から地球科学の研究観測機に転用されました。生産数も極端に少なく稼働するのは1機と伝えられています。

 それが、2023年の終わりごろ、電波・電子情報収集用の偵察ポッドを主翼下に新たに搭載して試験を行ったことから関心を浴びました。M-55の巡航高度は2万1500m。この高々度飛行性能をいかしてロシア側の上空からウクライナの電波・電子情報収集を狙っているというのです。

 旧ソ連は、よく西側の真似をして航空機をつくると揶揄されてきました。このM-55も例に漏れず、西側に似たルックスを持つ機体があります。米空軍の高高度偵察機、U-2「ドラゴンレディ」です。

 M-55もU-2と同じよう細長い主翼を持ち、細長い主翼を持ち、グライダーのような姿はほぼ一緒です。

 ただ、機体重量も含めたサイズは全体的にU-2よりM-55のほうが、ひと回り大型です。特にM-55の胴体中央は格段に太く、そのぶん鈍重に見え、胴体と水平尾翼をつなぐ2本のブームは細く、U-2を見慣れているとM-55は胴体とのアンバランスささえ感じてしまいます。これがあたかも「U-2の真似はしていない」と主張しているようでもあります。

異形のルックス、何が強み?

 M-55では「双ブーム式」と呼ばれる翼構成を採用しています。これは、エンジンの高熱の排気へ伸ばした胴体をさらすことなく、垂直尾翼と水平尾翼をより後ろに配置し、操縦の安定性を確保できるというメリットがあります。左右のブームの最後部をつなぐ部分は水平安定板になり、空気の薄い高々度でも飛行性能を確保しやすいでしょう。

 そしてM-55の胴体が太いのは、米国など西側陣営に比べて大きく重い旧ソ連を含めたロシアの偵察機材を収納するためだったと思われます。

 とはいえ、ロシアが今回、1機しか稼働していないと伝えられるM-55にまで偵察ポッドを搭載し試験を行ったところに、高々度無人偵察機の有無や、ウクライナ上空の制空能力といった面での、ロシア側の困窮が透けて見えると思うのは筆者(清水次郎)だけではないと思います。

 ただし、ほとんどの航空機が飛ばない高度2万m以上を飛行できる有人機は、まだ活躍の場があるということを、M-55がU-2とともに示したのも間違いないでしょう。M-55の名を聞く機会がこれから増えるとすれば、それは、ロシアがウクライナの電子・電波情報収集に血眼でいて、侵攻をやめるつもりはないことを示していると言えそうです。

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