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「ぶら下がっているタイプの給油器」見なくなったのはなぜ!? 数を減らすのも仕方ない理由とは

乗りものニュース / 2024年6月16日 16時12分

懸垂式計量機が使われている都内のガソリンスタンド(乗りものニュース編集部撮影)。

昔のガソリンスタンドでは、天井から給油機器がぶら下がっている形式も多くありました。こうした形式のガソリンスタンドはなぜ見かける機会が減ったのでしょうか。

セルフではなかなか採用が難しいタイプ

 2024年現在のガソリンスタンドといえば、地面に設置された給油機器でドライバー自らが給油するセルフスタンドが一般的です。しかし、ひと昔前のガソリンスタンドでは、天井から給油機器がぶら下がっている形式も多くありました。こうした形式のガソリンスタンドはなぜ見かける機会が減ったのでしょうか。

 ガソリンスタンドの屋根から吊り下げられた給油機器は名前を「懸垂式計量機」といいます。石油元売の関係者によると「懸垂式はもスペースの制約がある都市部で多く採用されています」とのことで、もともと少数派ではあったようです。

 近年見かけなくなった大きな理由としては、セルフ式のガソリンスタンドが増えた影響もあるかもしれないといいます。「懸垂式が法令的にセルフではダメだというわけではありませんが、運用のしやすさを考えると、やはり地上に給油機器を置く方が良い」とのこと。

 なお、設置するコストも懸垂式の方が高くなるようです。地下の貯蔵タンクからガソリンをくみ上げるポンプ装置や動力制御装置、給油量や値段の表示装置、屋根に吊り下げられた給油ホースの格納部などが分散しており、システムを構築するための配管工事費なども発生するためです。

 また、クルマの燃費が良くなり給油の機会が減ったことで、ガソリンスタンド自体も経営が立ち行かなくなり、その数は減り続けています。スタンド数は1990年代のピーク時と比べると、2022年度末は半分以下になっています。どうしても価格が高くなりがちな都市部のセルフでないスタンドで、わざわざ給油しなくてもよくなっている状況も、懸垂式をあまり見みかけなくなった理由の一つかもしれません。

 ただ東京都では2022年5月から、給油時に発生する光化学スモッグの原因物質のひとつである揮発性有機化合物(VOC)を含む燃料蒸発ガス(ガソリンベーパー)を抑制するために、懸垂式計量機についてもガソリンスタンド事業者が燃料蒸発ガス回収機能付き計量機を導入する経費の補助をしているなど、まだ数はそれなりに残っているようです。

 また、国内では数を減らし続ける懸垂式計量機ですが、海外ではインドやフィリピン、中国、韓国、タイといったアジア圏を中心に需要があります。

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