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もう秒読み!エアバス新型旅客機就航で「新路線続々登場」か? キモの「11時間通路1本の機体で飛ぶ」どう実現

乗りものニュース / 2024年6月13日 8時12分

エアバス「A321XLR」(画像:エアバス)。

開発の最終段階に入り、就航が秒読みになったエアバスの新型機「A321XLR」は「単通路機最長の航続距離」のコンセプトを持つユニークなモデルです。その強みにはどのような意味があり、それをどう実現しているのでしょうか。

航続距離は約8700km

 ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスは2024年5月末、開発中の新型機「A321XLR」の飛行試験、および実用化に不可欠な「型式証明」の認証が最終段階に入ったと発表しています。この機体は通路1本の「単通路機」ながら、約8700km(4700海里)の長い航続距離を持つことを強みとしたユニークなモデルです。

 A321XLRは、エアバスのベストセラー旅客機、A320ファミリーの最新派生型です。同機はA320胴体延長タイプ「A321neo」をベースとし、航続距離の延長が図られています。型番末尾の「XLR」は「エクストラ ロング レンジ(超長距離)」の略です。

 A320ファミリーは比較的小ぶりで汎用性の高いサイズ感から、老舗航空会社はもちろん、LCC(格安航空会社)などでも導入されています。一方で、これまでは中長距離国際線は通路が2本ある「ワイドボディ機」があてがわれることが一般的で、A320ファミリーは短距離路線を担当するケースが多く、それゆえ、航続距離もそこまで求められませんでした。

 A321XLRの航続距離である約8700kmについて、同社は「単通路型で最長」としており、飛行時間で換算すると11時間とのこと。たとえば、東京を起点とすると、シドニーやデリー、アンカレッジ(アラスカ)までノンストップで飛行が可能としています。

 このことで、これまで需要の有無から開設にリスクがあるとされてきたような新たな長距離路線にも就航でき、路線ネットワークを広げやすくなる――というのが、開発の狙いのひとつ。また、既存のA320ファミリーを保有する会社にとってA321XLRはパーツなどを共用できるため、導入コストも低くて済むというのもポイントです。

どうやって「11時間飛べる単通路機」を作ったのか

 では、どのように航続距離を延長したのでしょうか。最終組み立て作業についてエアバスの担当者は「ほかのA321と比較して大きな違いはない」とコメントを出しています。

 A321XLRが「単通路機で最長の航続距離」を実現するにあたり、重要なパーツが燃料タンクとのこと。同機では通常の主翼部、中央翼(主翼と胴体の結合部)部分のタンクに加え、中央翼の少し後ろに「リアセンタータンク(RCT)」と呼ばれるタンクが備わります。

 このことで、従来機より1万2900Lの燃料の搭載が可能に。燃料が多く積めるぶん長距離を飛べるようになるというわけです。このほか、既存のA320ファミリーの胴体延長・航続距離延伸型の「A321LR」から、長距離飛行向けの大きな廃水タンクなども設置されたほか、主脚と前脚を強化するなどの改修が施されたとのことです。

 A321XLRを初めて運航する会社はスペインのイベリア航空になると発表されています。同社での就航は2024年夏頃の予定です。

【革命的映像】これが「単通路機で長距離を飛ぶ乗員」向けの秘密の部屋です

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