極東最大の米軍基地「嘉手納」ナカはどうなってる? 戦闘機ズラリ、ショッピングモールに学校…でもなんかある!
乗りものニュース / 2024年6月20日 9時42分
極東で最大のアメリカ空軍基地として知られる沖縄の嘉手納基地。その内部はどのようなものなのでしょうか。機体の整備風景や居住区などを取材しました。
肉薄してわかった機体のピカピカ感!
極東で最大のアメリカ空軍基地として知られる沖縄の嘉手納基地。その内部はどのようなものなのでしょうか。現在基地に展開中の戦闘機F-22、F-16、そして間もなく基地から姿を消すF-15C/Dの整備風景や、基地内居住区などを取材しました。
嘉手納基地に配備された戦闘機は、基地に隣接し観光スポットとして知られる「道の駅かでな」の展望台から見ることができます。機体は、滑走路を挟んで望む三角屋根の連なるハンバーに格納されています。
もともと配備されていたF-15C/Dは、老朽化による段階的な削減のため米国本土に戻りつつあり、今は10機に満たないとのこと。このため、暫定的にいま配備されているのがF-16とF-22です。
F-16はサウスダコタ州空軍(ANG)第114戦闘航空団が来ています。F-22はバージニア州のラングレー基地から第1戦闘航空団第27戦闘飛行隊と、ヒッカム基地からハワイ州空軍(ANG)第199、第19戦闘飛行隊の所属機が到着しています。いずれも4月にやってきており、日本国内の報道によると両機種とも機数は12機ということです。
F-22は4月27日の嘉手納基地でのアメリカフェストと5月18、19日の横田基地友好祭でも展示されましたが、今回の撮影のため用意されたF-22はハンガーの端に置かれ、規制のロープが張られて置かれていました。
そのため、時間の許す限り観察したところ、電波吸収性を持つ塗装には剥げや小さな塗り直しも見当たらず、前世代の戦闘機によく見られた整備扉や外板の継ぎ目に出来る汚れもナシ。機体表面は「ステルス機ゆえに入念に整備されている」という形容そのままでした。胴体脇と下の兵器倉の扉もぴたりと閉められ、機体表面の段差や凹凸を極力なくしステルス機能を損なわないつくりが明瞭に分かりました。
続いて居住区へ
そのほかのF-22は兵器倉の扉が開かれていましたが、駐機状態では胴体脇の兵器倉からのぞく発射装置を前方に傾けて出しているのが分かりました。これは、空中での使用時と同じ状態です。エンジン排気口の後ろにある推力偏向装置も、駐機時は「ハ」の字型に開くのが確認できました。
一方F-16は、空気取り入れ口の右下に付くライトニング照準ポッドを降ろし、再び取り付ける作業が行われていました。作業は手際よく行われてはいたものの、複数の機種による暫定配備は、支援機材をそろえる必要も考え合わせると、長期的には負担もあるように感じました。
この後、向かったのは兵士や家族が暮らす居住区のショッピングモール。日本の各地にも多くのショッピングモールがありますが、それらと同じように店前には広い駐車場があります。ただ、嘉手納基地のモールには、ちょっと不思議な施設も。
それは、モールの入り口に建てられた赤い鳥居です。沖縄県読谷村には、通称「トリイステーション」と呼ばれる米陸軍の通信施設があり、ゲートに並んだ鳥居が目を引きます。ここ嘉手納基地内にもある鳥居にも、米国人が好む東洋趣味的なものを感じました。
モールの店内は1階がフードコート、2階に日常品やスポーツ用品などが並び、カジュアルな服を着た家族連れやユニホーム姿の兵士が鳥居をくぐり買い物をしていきます。ちなみに、基地の報道担当の女性兵士が購入し、おすそ分け頂いたお菓子は、いかにもアメリカ的な甘さで美味。この味で基地の中が米国なのだと改めて感じました。
モールの近くには小学校から高校もあり、日本と同じリズムのチャイムが聞こえてきます。のどかで日常的な風景は、基地の中であることを忘れさせるほどでした。
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