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アメリカ空軍“嘉手納基地”トップが語った「中国への懸念」 緊迫するアジア太平洋 基地の役割とは?

乗りものニュース / 2024年6月13日 7時42分

インタビューに応えたエバンス第18航空団司令官(相良静造撮影)。

近年、中国の海洋進出が勢いを増しています。米国のインド太平洋地域の戦略上で重要な場所のひとつである嘉手納基地は、現状をどのように捉えているのでしょうか。同基地のトップに聞きました。

3つある嘉手納の「役割」

 アメリカ空軍嘉手納基地(沖縄県)は、米国のインド太平洋地域の戦略上で重要な場所のひとつで、近年では中国の海洋進出が勢いを増すなか、抑止力としての役割は一層重くなっています。同基地は現在のこの地域の情勢についてどう認識し、どのような任務を行っているのでしょうか。

 ここで舵取りを担う嘉手納基地第18航空団司令官ニコラス・B・エバンス准将にインタビューしました。ちなみに米空軍などでは操縦士が非公式の愛称として用いる二つ名、いわゆる「TACネーム」を持ちますが、同氏は「タルサ」というTACネームを持ちます。

 エバンス司令官はF-16C/DやF-35などで2400時間以上の飛行経験を持ち、F-16の操縦教官を務めたこともあります。韓国・烏山やハワイを含め、アジア太平洋方面で長く勤務し、2023年7月、嘉手納基地司令官に着任しました

――嘉手納基地に与えられた任務は大きく3つあると聞きました。それらの任務を教えてください。

 任務の1つ目はパートナー国、同盟国との連携です。航空自衛隊と訓練をし、そのほかのインド太平洋地域の同盟国とも訓練を行っています。嘉手納基地の存在は、こうした同盟国へのコミットメント(決意)を示しています。決意を示すことは、自由で開かれたインド太平洋地域を守っていくことにほかならないためです。

 2つ目は、インド太平洋地域で侵略を抑止することです。米国や日本などと異なり、インド太平洋地域の中には国際秩序とルールに反した行動を取る、いくつかの国があります。嘉手納基地の任務は、こうしたいくつかの国と、米国や日本、同盟国との対立や衝突を抑えることにあります。

 3つ目は厳しい訓練です。日本を防衛するためとして、航空自衛隊と連携して訓練を行っています。特に自衛隊の那覇基地とは良好な関係を築き連携しています。こうした中で4月下旬に行った、空自との航空医療搬送の訓練はうまくいき、うれしく思っています。

「中国の行動」はどう分析?

――エバンス司令官が示した「いくつかの国」には中国が含まれていると思います。中国の現在の活動について、どのように考えていますか。

 中国への懸念はあります。中国空軍と海軍に加え、漁船に乗り組むいわゆる海上民兵は、近隣諸国に圧力を与えていると見ています。

 ただ、ここで明確に言えるのは、中国が自国の軍隊を整備するのは、国家として認められた権利であることです。米国は、国家としての権利に基づいた軍の整備を問題視しているのではありません。

問題視しているのは、中国がどのように軍隊を使っているかです。中国が近隣諸国へ圧力をかけるのに軍を使っているのを問題視しているのです。

 嘉手納基地に所属する航空機も洋上で中国の軍用機と遭遇することがあります。遭遇した際の緊張は、だんだんと高まっていると受け止めています。緊張については、インド太平洋地域の同盟国の航空機が中国軍機と遭遇した際は同じことがいえます。

こうした緊張を抑えるために、私たちは自分たちを守る力を高めていく必要があります。米国と同盟国がお互いに学びあうのです。

※ ※ ※

 エバンス司令官には、嘉手納基地が日々の活動と周辺住民の生活への配慮をどう両立させているかや、同基地の戦闘機配備の状況などを聞いています。これについては別の記事でお伝えします。

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