世界初の超音速旅客機=「コンコルド」じゃなかった? ソ連が生み出した「対抗意識バチバチ」のトホホ機とは
乗りものニュース / 2024年6月24日 7時42分
世界で唯一、長年にわたり実運用された超音速旅客機といえば「コンコルド」です。ただ、実はそれより早く、初飛行に成功した超音速旅客機が旧ソ連「Tu-144」です。この機体はどのようなもので、どういった変遷をたどったのでしょうか。
実運用は7か月
世界で唯一、長年にわたり実運用された超音速旅客機「コンコルド」。実は同機よりも早く、初飛行に成功した超音速旅客機があります。旧ソ連のツポレフ設計局「Tu-144」です。
この機体はあまりに「コンコルド」を意識した面があることから「コンコルドスキー」とも揶揄されるモデルです。「世界初の超音速旅客機」とは、どのようなものだったのでしょうか。
Tu-144の初飛行は「コンコルド」初飛行の3か月前となる1968年12月31日。超音速を突破したのも、「コンコルド」より先でした。Tu-144は尖った鼻先や三角翼が設置された形状で、機首の左右に「カナード」と呼ばれる折り畳み式の先翼が装備されていることを除いては、「コンコルド」とよく似ています。
1950年代から60年代、ジェット旅客機が空を飛び交うようになると、世界では「将来的に超音速旅客機がマーケットの中心となる」と考えられ、これらの構想が各航空先進国で練られます。フランス・イギリスでは「コンコルド」が、アメリカではボーイング社により「2707」が計画されました。ここに東側の筆頭であったソ連も開発競争に加わりました。その後、ボーイング2707は開発中止となり、2機の超音速旅客機が実際に空を飛ぶことになりました。
ところが、Tu-144は実用化こそしたものの、航空ショーで墜落し原因究明に手間取ったことから、運航開始は「コンコルド」の後となってしまいます。なんとか実用化したものの、その後また墜落事故が発生。原因の究明や改善が行われたものの、燃費も悪く人数も多く乗せられないことから、経済的に採算が合わないとして旅客機の役目を終えました。商用運航の期間はわずか7か月だったとのことです。
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