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東日本で唯一!? 超レア「1本立ちの多灯信号機」なぜこの場所に? 初見は「夜チョット怖い」かも

乗りものニュース / 2024年6月23日 14時12分

新潟県燕市の吉田旭町1丁目交差点に設置されている交通信号機(乗りものニュース編集部撮影)。

信号機というと交差点の隅に複数の柱を立て、灯器は分散配置するのが一般的です。しかし、新潟県には交差点の中央に立つ1本の柱に無数の灯器を集中設置したのがあります。他県ではほぼ見られない激レア信号機の経緯を探りました。

JR吉田駅の近くに立つ激レア信号機

 日本には、2023年3月時点で約21万基もの交通信号機があります。車両用でよく見かけるのは、交差点の隅に建てられた柱からアームが伸び、その端に赤、黄、青の3色からなる灯器が横ないし縦一列に並んだものでしょう。なお、支柱1本につき片面1基ずつ、もしくは両面2基の形で設置されているものがほとんどです。

 しかし、新潟県燕市には、全国的にも珍しい「中央柱式」と呼ばれる信号機が存在します。

 設置されているのは、JR越後線と同弥彦線が交わる吉田駅にほど近い吉田旭町1丁目交差点。ここは、一般的な十字路ではあるものの、交点の真ん中に進入不可能な「島」があり、そこに1本の鉄柱が立っています。そして、その鉄柱の4面に縦型灯器がまとめて取り付けられているのです。

 たとえるなら、大正時代から昭和初期にかけて大都市に設置された初期の自動式交通信号機を大きくしたような感じです。

 なお、構造は歩車分離式で、歩行者用灯器は交差点の歩道脇に支柱を使って別に立てられています。

 全国の信号機に詳しい、大手信号機メーカーの元社員によると、このような信号機はまず見たことがなく、せいぜい長崎県の長崎駅前に路面電車用の信号灯器とまとめるために設置されているぐらいで、車両用のみでこのように立っているのは極めてレアケースとのこと。このような設置方法を取る交差点はまず見たことがなく、東日本では唯一なのではないかと語っていました。

 そこで、実際に信号機を管理している新潟県警察にハナシを聞いてみました。

道路交通法にもしっかり明記

 答えてくれたのは新潟県警察交通部の交通規制課です。当該交差点の信号機は1976(昭和51)年度に設計・設置され、点灯を開始したそう。ただ、なぜ「中央柱式」を採用したのかは不明なのだとか。

 とはいえ、担当者が「推測になってしまうが」との前置きのもと説明してくれたのが、吉田駅に近い商店街の中に設置されたという点です。駅からほど近い場所で、いまでこそ空き地が見られるようになったものの当時は商店街でアーケードが続いていたため、そのアーケードを避けて交差点の四隅に電柱を立て車両用信号を4つ設けるのは難しかったのではないか。そのため交差点の真ん中に島をあえて設けて、そこに立てた柱に4つの車両用灯器をまとめて設置したのだろうと話してくれました。

 この「中央柱式」というのは、設置方法として道路交通法施行規則第4条の別表1にきちんと明記されています。信号機は「中央柱式」「側柱式」、そして「懸垂式」の3種類あり、そこに取り付ける灯器の形状で「横型」と「縦型」の2種類に分類されるため、吉田旭町1丁目交差点の信号機は「縦型中央柱式」となるそうです。

 なお、中央の島の部分は信号機が取り付けられている柱の周りにさらにコンクリート製のブロックがあり、また反射板も四方にむかって取り付けられるなど、自動車が気付かずそのまま突っ込まないようにしています。

 では、日頃使っている人たちはどう感じているのか地元住民らに聞いたところ、「普通の交差点で、特段珍しいものとは思わなかった」「気にも留めずに自動車を運転していた」そうです。また右折時などで信号機のある島が邪魔に思わないかとの問いには、「こういう交差点だからと気にしたことがなかった」と話してくれました。

 一方で、このコンクリートブロックが見えづらい「夜は怖いな」と感じたという声も聞かれたので、慣れの部分があるのは事実なようです。

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