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西武線の「宙に浮いた短絡線」計画どうなる?「新宿と秩父を結ぶ特急」案も 株主総会での回答は

乗りものニュース / 2024年6月24日 8時42分

特急「ちちぶ」の車両(画像:写真AC)。

西武ホールディングスの株主総会が開催。株主からは、特急「ちちぶ」の方向転換の解消や西武新宿と西武秩父を結ぶ特急の復活を求める声があがりました。

「飯能短絡線」計画どうなった?

 西武ホールディングス(HD)は2024年6月21日(金)、第19回定時株主総会を埼玉県所沢市で開催しました。株主から経営陣へ様々な質問が寄せられましたが、鉄道事業に関しては、特急「ちちぶ」の一部区間における「逆向き走行」を解消する短絡線計画に関する質問もありました。

「秩父へ向かう特急は、座席が逆向きで走る区間がある。景色の良い西武秩父線の車窓を、座席が進行方向を向いた形で楽しむことはできないか。また、西武秩父線内で進行方向が逆向きにならない西武新宿と秩父を結ぶ特急を設定してほしい」

 株主総会では、このような声があがりました。

 池袋と西武秩父を最速78分で結ぶ特急「ちちぶ」は、ちょうど中間地点となる飯能駅で列車の進行方向が変わります。池袋駅から西へ進んできた池袋線は、飯能駅でいったん北東に向かうため、走る線路の方向自体が変わることが要因です。
 
 西武秩父発の特急列車は、途中駅から乗車する利用者も多い飯能~池袋間で座席が逆向きで走ることを防ぐため、西武秩父駅の発車時から座席が逆向きでセットされています。
 
 これを解消すべく、元加治駅(飯能駅の池袋寄りにある隣駅)と東飯能駅を直接結ぶ短絡線の計画が古くからあり、既に建設用地も確保されています。実現すれば、列車の方向転換にかかる手間と時間が解消され、所要時間も短くなります。ただ、短絡線には特急列車が飯能駅を経由しなくなるというデメリットもあります。
 
 この構想は元々、西武秩父線の整備を機に浮上し、貨物列車が機関車を付け替えたりする手間を解消することを主眼としていました。ただ、短絡線のメリットを最大限に享受できる貨物列車は輸送量の減少により、1996年に運転を終了。確保された建設用地も宙に浮いた状態が続いています。西武鉄道は計画を「休止」と位置付けています。

要望に対して西武鉄道の回答は?

 西武鉄道の藤井高明 取締役は株主総会での質問に対し、「我々としても、(飯能駅での方向転換は)常に課題として感じている。機会があれば、しっかりと改善できるように取り組んでいきたい」としたうえで、短絡線については「輸送需要を見ながら検討しているが、現時点では整備することは考えていない」との見解を示しました。
 
 また西武新宿線では、1993年に特急「小江戸」の運行が始まるまで、西武新宿と西武秩父を結ぶ特急列車「おくちちぶ」が土休日に運行されていました。この列車は所沢と飯能で2回方向転換することが特徴で、景色の良い西武秩父線区間は座席が進行方向を向いた状態になります。

 この西武新宿~西武秩父間の特急を今後設定するかどうかについては「現在、所沢駅の立体交差事業(ふれあい通り線)の関係で、配線が変化しており、西武新宿線から西武秩父方面への特急運行が難しくなっている。これを解消できるタイミングで可能性も含めて検討していきたい」と話しました。

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