航空会社職員へのカスハラ、JAL・ANA「もう許しませんよ」 ”貴重なご意見”と何が違う? 2社で新ルール設定
乗りものニュース / 2024年6月28日 13時58分
「前はやってもらえた!特別対応しろ!」もう通用しませんよ?
他の乗客にも超迷惑な「カスハラ」
「詫び状書かせろよ!」「答えになってねーよ、バカ、無能だな、お前」「頭いかれています」「不快な思いをさせた本人か責任者に他社便のターミナルまで来させろ。お願いではなく命令だ」――これは、JAL(日本航空)、ANA(全日空)の運航に関わるスタッフに浴びせられた、乗客からの暴言です。こういった「カスハラ(カスタマーハラスメント)」に2社は今後、どのように対応するのでしょうか。
2社は共同で「カスタマーハラスメントに対する方針」を策定。「カスハラ」の基本方針、定義、該当行為などを発表しています。2社では昨年度、それぞれ300件程度のカスハラ事案が発生したとのこと。ANAの担当者によると「スタッフの体感としては増えているという声も聞かれる」とも話します。こういった行為は対応するスタッフだけではなく、カスハラ客の周囲にいる別の利用者に不快な思いを抱かせることにも繋がります。また、カスハラに対し明確な基準がなかったことで、判断に迷うことがあったともしています。
2社は「お客様のご意見・ご指摘には真摯かつ誠実に対応していまいります」としながらも、「著しい迷惑行為などに対しては、人権および就業環境を害するものとして、毅然と行動し、組織的に対応する」としています。「注意喚起に従ってもらえない場合、管理職も入り複数人で対応していく予定です。そこからさらにカスハラが発展した場合、警察への相談も含め対応していく予定です」(ANAの担当者)
そして2社は、カスハラの定義を以下のように規定します。
・顧客または取引先などを含む第三者からの優越的な立場を利用した「航空法、その他関連する法規に反する行為」、及び「これらにつながりかねない行為」、または「義務のないことや社会通念上相当な範囲を超える対応を要求する行為」により、社員の就業環境が害されること
これまで2社は航空法をはじめとする関連法規に反する行為には、今までも毅然とした対応を行ってきたものの、「義務のないことや社会通念上相当な範囲を超える対応を要求する行為」に対しては法的な後ろ盾がないことから対応に苦慮していたとのことです。
そして、カスタマーハラスメントに該当する行為例について、2社は次のように定めます。
じゃあ具体的に何がカスハラ?「ご意見」となにが違うのか
●暴言、大声、侮辱、差別発言、誹謗中傷など
例:大声、言葉遣いが荒い話し方、「バカ野郎」などの発言、「〇〇(特定の性別を指して)のくせに」「男性の上司を出せ」などの性差別的な発言、容姿を揶揄する発言、能力を否定する侮辱的な発言
●脅威を感じさせる言動
例:「殴ってやる」「殺すぞ」「SNS で拡散させる」などの脅迫的な発言、反社会的な勢力などをほのめかす発言
●過剰な要求
例:規定やルールを超えた多額の補償金やアップグレードなどの特別対応の要求、「家まで謝りに来い」「土下座しろ」などの実現不可能な要求、係員の態度が気に入らないなど理不尽な理由での慰謝料などの金銭の要求
●暴行
●業務に支障を及ぼす行為
例:居座り、長時間の電話など、正当な理由がない社員の長時間拘束、話のすり替え、揚げ足取りや執拗な攻め立てによる社員の長時間拘束、(複数の場所での)同じクレームの繰り返しによる著しい業務妨害、不合理な問い合わせの複数回繰り返し、常習的な同じクレームの繰り返し
●業務スペースへの立ち入り
●社員を欺く行為
例:不正に発券された搭乗券の利用、年齢や氏名を詐称した搭乗、空席確保のための重複予約行為、お手伝いが必要な内容の虚偽申告、社員への対応の強要
●会社・社員の信用を棄損させる行為
例:・事実に反する会社や社員への誹謗中傷の SNS への投稿、予約センター・機内・空港などでの対応状況の録音・録画データの SNS への投稿、事実ではないことや、事実を誇張した虚偽を含んだ内容の流布・インターネット上での掲載
●セクシャルハラスメント (盗撮、わいせつ行為、発言、つきまといなど)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ANAとJALが共同で「カスタマーハラスメントに対する方針」を発表
マイナビニュース / 2024年7月1日 12時34分
-
「土下座しろ」「バカ野郎」はアウト! ANA & JALが「カスハラ」対策で共同方針
J-CASTニュース / 2024年6月30日 14時0分
-
カスハラに「毅然と対応」=従業員保護へ共同で方針―全日空・日航
時事通信 / 2024年6月28日 19時18分
-
(共同リリース)ANAグループとJALグループ共同で「カスタマーハラスメントに対する方針」を策定
PR TIMES / 2024年6月28日 15時15分
-
ANAとJAL「カスハラ方針」共同で策定 23項目の“行為例”も紹介
ORICON NEWS / 2024年6月28日 14時2分
ランキング
-
1上海の伊勢丹が営業終了、中国で日系百貨店の閉店相次ぐ…高島屋は売上高が減少傾向
読売新聞 / 2024年6月30日 20時56分
-
2マツダ、ヤマハ、ホンダ、スズキの「認証不正」どうなった? 調査結果を国交省が公表! マツダは同日にコメント発表
くるまのニュース / 2024年6月30日 22時10分
-
3日経平均「再度の4万1000円突破」は十分に可能だ 「米国利下げ後ずれ」「中国減速」のリスクは?
東洋経済オンライン / 2024年7月1日 9時30分
-
4毎回"完売"続出。築地銀だこの「ぜったいお得な回数券」は、PayPay併用でさらにお得!
東京バーゲンマニア / 2024年6月30日 9時3分
-
5「押しボタン式信号」なぜ“押してすぐ青”にならないケースが? 納得の理由があった!
乗りものニュース / 2024年6月29日 16時42分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください