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「新紙幣つかえない!」がシャレにならない どうなる高速道路の現金車対応 利用者どう対処すべき?

乗りものニュース / 2024年7月4日 9時42分

料金所のイメージ。一般レーンは精算機による無人対応の場合も多い(画像:写真AC)。

発行が始まった3種類の新紙幣。それが使えないと危険が生じかねないのが、高速道路の料金所です。高速道路の現金車対応を追ってみました。

高速道路の新紙幣未対応、現金車にとってそれはまずい状況に

 渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の肖像がそれぞれ描かれた新紙幣3種の発行が2024年7月3日から始まりました。新紙幣への切り替えを担当する財務省のトップ、鈴木俊一財務相は前日2日の閣議後会見で対応を問われ、次のように話しました。

「2024年6月末時点の見通しでは、金融機関のATMは9割以上対応できる。レジなどの自動釣銭機は8~9割が対応可能。鉄道の券売機も8~9割の見通しを立てている。もっとも飲料自販機については3割くらいしか対応できないが、こうしたものは順次更新していく中で対応するものが増えてくると承知している」

 7月3日の切り替えを境に旧紙幣が使えなくなるわけでなく、流通は徐々に進むので、新紙幣対応の機器が目の前になくても、ほとんどの場合は切り抜けることが可能です。ただ、新紙幣に未対応だと、かなり困った状態になりかねないのが、高速道路の料金レーンです。

 料金収受員が常駐する一般ブースは、今や数を減らし、現金対応の主流は料金精算機による無人運用に移っています。ここで、新紙幣が使えないことに困惑して後戻りすることは、事故を誘発する危険行為。絶対に避けなければなりませんが、一方で手持ちが新紙幣だけでも、料金未払いで通過してしまうことは犯罪を疑われかねません。

 鉄道の券売機ならば、近くのコンビニなどで両替もできそうですが、万策尽きてしまう可能性があるのが、高速道路の事例です。

 そこで、主要な高速道路であるNEXCO系3社と、都市高速の首都高速、阪神高速に対応状況を聞いてみました。結論からいうと、東高西低。高速道路会社によってばらつきがありました。

新紙幣対応「あまり進んでいない」高速道路とは?

 まず、切替日までに、新紙幣対応が100%終わっている高速道路会社は5社中3社。NEXCO東日本、NEXCO中日本、首都高速でした。

 収受員が常駐せず、現金車が料金精算機で支払いをする一般レーンは24年6月1日現在、東日本で323レーン、中日本で189レーン、首都高速で19レーンあります。3社では、いずれのレーンでも新紙幣対応済みでした。

 首都高速で料金精算機を使ったレーンが少ないのは、ETC専用化していない一般レーンに料金収受員が常駐することが多いためです。

 NEXCO西日本も、対応はほぼ終わっています。同社によると料金精算機で収受を行う現金車レーンは382レーンあり、6月30日時点で98%が新紙幣対応済みということでした。

 対象的に、あまり進んでいないのが阪神高速です。料金精算機の場所について「料金所数で50か所ある」と話しますが、このうち新紙幣対応が完了しているのは「4割くらい」。30か所の料金所で新紙幣が使えないことになります。阪神高速の料金所は151ありますから、全体の約20%で新紙幣が使えないことに。これまでの4社と比較すると、新紙幣未対応の比率がかなり高いです。

 現金車の場合は新紙幣しか持ち合わせていないと、支払いに困ることになりそうです。また、都市高速は退避スペースがないことが多く、料金収受のトラブルがあると通行レーンがふさがってしまうので、阪神高速は早急な対応が必要です。

 いちばんの自衛策は運転者があらかじめ旧紙幣を用意しておくことですが、料金精算機には、必ず高速道路会社の係員と通話ができるインターフォンも完備されています。もし新紙幣しか持ち合わせていない場合は係員の指示で料金未払いの処理をすることができます。事故を誘発する無理な運転をしないことを最優先に、係員と話し合うことが大切です。

 高速道路のほかにも、全国には自動精算機を使っている有料道路がたくさんあります。その中にはETCにも、新紙幣にも未対応の道路もあります。当分の間、新紙幣に掲載の人物がおなじみの顔になるまでは、旧紙幣の常備が必要かもしれません。

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