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日本最長の「無料で通れる橋」が美しすぎる! 気づけばあちこち地続き「離島架橋」は島をどう変えた?

乗りものニュース / 2024年8月3日 9時42分

伊良部大橋。県道平良下地島空港線というように、空港アプローチを主目的として造られた(画像:沖縄県)。

沖縄では数多くの「離島架橋」が整備されてきました。大きな島と小さな島が地続きになったことで、地域全体に大きな変化をもたらしたケースも。橋がつながった島、つながらなかった島で、どう変わったのでしょうか。

沖縄本島以外の離島にも橋が架かる→空路も変わる!?

 沖縄県は沖縄本島のほか、石垣島、宮古島など、観光でも著名な島々で構成されていますが、それ以外にも離島が多くあります。これらの島々は近年、大きな島と次々に橋でつながってきました。

 これらの橋の開通は、それまで船での交通が頼りだった島の生活を、より便利にしました。さらに島への観光客の来訪を促し、さらには「橋そのもの」が名所として多くの観光客を集めているケースもあります。そうした橋のうち、特徴的なものをご案内しましょう。

果てしなく青く透き通った海を渡る絶景の橋 - 伊良部大橋

 2015年に開通した宮古島と伊良部島を結ぶ、日本最長(3540m)の“無料で通れる橋”です。全体がゆるいカーブで、かつ航路とのクリアランスのため伊良部島側でアーチを描くフォルムが美しく、宮古島でも有数の観光スポットとなっています。

 クルマで渡ると、低い欄干を通して見えるのはどこまでも続く“宮古ブルー”の海。晴れた日は感動レベルのドライブが楽しめます。

 橋の開通後には、伊良部島とさらに橋で結ばれる下地島の「みやこ下地島空港」に民間定期便が再就航し、宮古空港とならぶ宮古島の玄関口としての機能を担っています。なおこの伊良部島と下地島とを隔てる海は非常に細く長い水路になっており、複数ある橋も短いものでは10mにも満たない長さです。

沖縄本島東海岸の離島群へのアプローチ - 平安座海中大橋

 沖縄本島東部のうるま市からは、南東に勝連半島(与勝半島)が伸び、その東側に伊計島、宮城島、平安座島(へんざじま)、浜比嘉島などの与勝諸島が連なります。この島々のいちばん手前、平安座島と本島とを結ぶ道が「海中道路」です。ただしそのほとんどの部分は浅瀬への盛り土で、実際に橋となっているのは半島に近い側にある全長280mの平安座海中大橋ともう1か所だけです。

 本島側から海中道路に入り、平安座海中大橋を渡った先の左側には、道路に沿って駐車場とビーチが整備され、そこでさまざまなマリンアクティビティが楽しめます。またBBQなど、地元民の憩いの場としても活用されています。

 対岸の平安座島からはさらに橋を渡り、他の島々に足を伸ばすことが可能です。

那覇から一番近い“橋で行ける離島”とは

 沖縄本島の“奥座敷”にも、橋で行けます。

リゾートアイランドへ、一直線に続く橋 - 古宇利大橋

 沖縄本島の西海岸は日本最大級のリゾートエリアになっており、読谷村(よみたんそん)、恩納村(おんなそん)、名護市の海岸沿いには高級リゾートが立ち並びます。さらにその北側、これらリゾートエリアの“奥座敷”的存在の今帰仁村(なきじんそん)にある離島が古宇利島です。

 沖縄本島からは、ワルミ大橋または屋我地大橋で屋我地島に渡り、そこから古宇利大橋を使ってアプローチ。古宇利大橋の本島側は青い海と橋、そして古宇利島を一望できる景勝地になっています。古宇利島側には美しいビーチが広がり、青い海を心ゆくまで楽しめます。

大きなアーチを渡り、自然が残る素朴な島へ - 瀬底大橋

 名護市の本部半島の西、観光スポットとして有名な「沖縄美ら海水族館」の手前、本部町の市街地に差しかかると、左側のすぐ沖合に見える緑に覆われた島、それが瀬底島です。沖縄本島とをつなぐ瀬底大橋の開通は1985年とかなり前ですが、この島がリゾートの拠点として注目を集めるようになってからは日が浅く、島内には自然豊かな森と美しい砂浜が各所に残っています。

 瀬底大橋を渡りすぐ下に広がるのがアンチ浜。外海から海流が入るため、透明度は非常に高く、人気の海水浴スポットです。島を横切って反対側にある瀬底ビーチは、かつてリゾート開発が頓挫した歴史もありましたが、2020年に大規模な外資系リゾートホテルが開業。ただビーチの手前には一般利用できる駐車場が設けられ、ホテルの宿泊客以外も水平線を見渡す美しいビーチを楽しめます。

那覇市街から“もっとも近い離島”は人気の観光スポット - あんじな橋

 那覇空港のすぐ南、那覇市の市街地からもっとも近い離島が瀬長島です。沖縄本島からは埋め立てでできた海中道路、そしてあんじな橋でつながっています。

 かつてこの島には米軍基地が置かれ、一般の立ち入りは禁止されていましたが、1977年に日本へ返還。2010年代なかばからは観光開発が行われ、島の中央の高台にはリゾートホテルが、その西側には傾斜を生かしたショッピングアーケードが開業。那覇空港からのアクセスのよさを生かした一大観光地に成長しました。また、島の上空は空港に離発着する飛行機のルートとなっているため、航空ファンにも人気です。

 なお、瀬長島は那覇空港の敷地とも別の道路で連絡していますが、こちらは関係者以外の立ち入りは禁止されています。

陸続きに残る「島ルール」

 これまで見てきたように、沖縄離島への架橋は「いつでも行き来できる」という利便性を生み、観光客の気軽な往来が可能となり、島にも大きな経済的メリットを生み出しました。さらに離島架橋はこれら観光面だけでなく、買い物の利便性、農産物の効率的で自在なタイミングでの出荷、また離島での医療格差の削減や救急医療体制の充足など、離島での日常生活での質の向上にも大きく貢献しています。

 ただその一方で、一部の島には独自の“島ルール”がいまだに残り、観光業者による公有地の占拠、ビーチ利用者からの不当な料金徴収など、グレーな商売が続いているところもあります。このあたりは行政による監視、適正な取締りが行われるべきでしょう。

 他方、架橋されていない竹富島、伊江島、伊是名島など、その不便さが逆に魅力となり、コアな観光客の支持を集めている島もあります。これらの島には現在、具体的な架橋計画はありませんが、その実現にあたっては、環境への負荷なども考え、慎重な判断が求められることになるはずです。

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