EV化推進「野心的すぎたかも」? 欧州有数の自動車メーカー“V8も売ります” 二重戦略が鮮明に
乗りものニュース / 2024年7月29日 17時12分
ポルシェが完全EV化を目指していたSUVの「カイエン」に関して、2030年以降もV8エンジン搭載車両を販売する可能性があると発表しました。EV戦略の見直しが図られています。
ポルシェのV8エンジンが2030年以降も継続される?
自動車メーカーのポルシェは2024年7月25日、完全EV化を目指していたSUVの「カイエン」に関して、2030年以降もV8エンジン搭載車両を販売する可能性があると発表しました。
この発表に先がけ、ポルシェはロイター通信に宛てた声明で「EVへの移行には5年前に考えていたよりも時間がかかる」と述べ、計画変更の可能性について示唆しました。
そのため、なんらかの具体的な方針転換が近々発表されるのではと、海外メディアでは取り沙汰されていましたが、7月25日のプレスリリースでポルシェは「カイエンにおいては2030年まで、そしてそれ以降もV8エンジンが継続される」と発表し、正式に同車種の完全EV化計画が遅れる可能性があることが明かされました。
これまでカイエンは、現在開発中の4代目からEVのみとして販売される予定でした。しかし7月25日に発表されたプレスリリースでは、4代目とともに、現在の3代目をアップグレードし、通常のエンジンモデルと、ハイブリッドモデルを販売するとも。つまり、異なる3つのパワーユニットで、新旧の車両を併売する方式を取るということです。
この方針転換の背景として、欧州でのEV販売の鈍化とアメリカでの需要のバラつきがあるのではと海外メディアで指摘されています。ただ中国市場に関しては国家的な方針もあり、EV移行が進んでいるということで、しばらくは二重戦略でいくことが予想されています。
なお、2023年の世界販売台数でカイエンは8万7553台でポルシェ内では1位の販売台数となっています。ちなみに2位はマカンで8万7355台。マカンはカイエンよりもひと足早く、2024年1月からEV化新型が登場していますが、同車に関しても既存のエンジン車も販売し続けるという新旧車両の併売戦略がとられています。
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