まだ「UFO信号機」絶滅していなかった!? 西日本に現役有り! 宮城でも見られるってホント?
乗りものニュース / 2024年8月10日 15時42分
交差点の中央に吊り下げられる形で設置される、通称「UFO信号機」。宮城県仙台市のものが撤去された際に各種メディアで報じられましたが、実はあれが最後ではありません。全国にはまだ複数が現役で残っています。
UFO信号機が現役な場所って?
2024年7月末、「UFO信号機(もしくはUFO型信号機)」と呼ばれる交通信号機が姿を消したというニュースが各メディアで流れました。宮城県仙台市に最後まで残っていたものが、老朽化のために撤去されたそうで、その引退を惜しんで全国からファンが撮影に訪れていたというものです。
ところが、このUFO信号機、実は現役で活躍している場所がまだあります。しかも複数。いったい、どこに行けば見られるのでしょうか。
一般的に信号機というと、交差点の隅に立つ柱から伸びたアームの先端に、赤、黄、青の3色の灯器がワンセットで一列に並んだものでしょう。おおむね、支柱1本につき1基ずつ、もしくは両面2基の形で設置されているものがほとんどです。
しかし、前出のUFO信号機は、1本の柱から伸びた長いアームで交差点の中央に吊り下げられる形状です。なぜこのような形状をしているのかというと、交差点の隅に信号機用の支柱を立てるスペースがなく、加えて地下に排水溝やガス管、水道管など多くの埋設物があるため。こうした細街路に設置できる新型信号機として登場したのです。
瀬戸内海に浮かぶ離島に残ってた!
そもそも、UFO信号機は正式には「懸垂型(けんすいがた)交通信号機」と呼ばれるもの。最初に開発した名古屋電気工業によると、1975(昭和50)年9月に名古屋市立新栄小学校前(中区)の交差点にテストケースとして設置したのち、大須の赤門交差点に本設置をしたのが始まりなのだとか。ただ、同社が1980年代半ばに信号機の製造から撤退したことや、信号機の薄型・軽量化が進み、従来は設置が難しかった細い支柱などでも対応できるようになったことなどから、UFO信号機である必要性が薄れ、徐々に一般的な信号機に置き換えられていった模様です。
また、ほかにも歩行者用信号機も組み込まれた歩車一体型のUFO信号機の場合、歩行者は近づいたうえで、かなり上側を見ないと信号の表示がわからないという、一種の見え難さも姿を消す要因のひとつであったと言われています。
こうして、UFO信号機は全国から姿を消していったのですが、実はまだ、ごく少数ながら現役で動き続けている箇所があります。それは、広島県と大阪府の2か所です。
前者は瀬戸内海に浮かぶ離島、江田島のなか。江田島市江田島町中央5丁目という場所です。ここは丁字路の交差点であることから、UFO信号機の特徴である「ロの字」形のうち1面だけは3色の灯器がありません。
また灯器は赤、黄、青の3色用意されているものの、2024年現在、点滅式の運用が基本で歩行者が押しボタンを操作すると、主要道路の広島県道44号江田島大柿線の方が赤に切り替わるようになっています。
宮城県内でもまだ活動中
一方、後者は大阪市の中心部、東成区中本5丁目にあります。こちらは住宅街の中にある十字路に設置されており、4面すべてに3色の灯器があるほか、青色も使用されています。
ちなみに、江田島と東成区の両UFO信号機とも、歩行者用灯器は内蔵されていません。
では、歩車一体型のUFO信号機はもう見られないのかというと、実は宮城県に今でも稼働状態で残っています。それが仙台市内の南小泉交通公園と、角田市の角田交通公園の2か所です。
前者は、先述の江田島のものと同じ丁字路に設置される1方向が省略されたもの、後者は4面すべてが点灯するフルタイプのUFO信号機になります。
これらは交通教育用の施設内信号機であるため、公道に設置されているわけではありませんが、貴重な歩車一体型のUFO信号機といえるでしょう。
なお、これらは専用設計の「ロの字」形の一体構造タイプになります。全国には一般的な3灯式のものを4つ組み合わせて支柱で合体させたものもありますが、それはファンからするとUFO信号機とは呼ばないのだとか。そのため、現役のUFO信号機を見たいと考えているのであれば、早めに動いた方がよさそうです。
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