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マジで寝られる!? 寝台車でもないのに「フルフラット座席」列車 なんと“路面電車”にもある!?

乗りものニュース / 2024年8月31日 15時12分

「サンライズ瀬戸・出雲」に使われる285系電車(安藤昌季撮影)。

鉄道車両の中には寝台車でもないのに、横になることができるフルフラット座席を備えた車両があります。どんなリクライニングシートよりも“寝られる”座席、といえるかもしれません。

実は指定席券で利用できる「ノビノビ座席」

 鉄道車両の中には寝台車ではないのに、フルフラットで「寝られる」座席を備えたものがいくつか存在します。フルフラットということは、寝転がったり足を伸ばせたりと、自由な姿勢を取れるわけです。ある意味、グリーン車のリクライニングシートを上回る快適性といえるでしょう。

 そんな究極の居住性を備えたフルフラット座席車を、筆者(安藤昌季:乗りものライター)が乗車した車両からピックアップして紹介します。

●JR東海・西日本 285系「サンライズ瀬戸・出雲」ノビノビ座席
 唯一の定期寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の普通車指定席「ノビノビ座席」は、長さ207cm、幅82cm、高さ96cmに区切られた上下2段の区画で、カーペットが敷かれており横になれます。カーペットは固いものの、毛布、枕カバー、小テーブル、ドリンクホルダー、カップ、個別照明があり、持参した衣装などを枕代わりに寝られます。ただ、区画は通路側しかカーテンで仕切れないので、プライバシーは守られません。

●JR西日本 117系「WEST EXPRESS 銀河」クシェット
 臨時夜行特急「WEST EXPRESS 銀河」にも、普通車指定席で横になれる「クシェット」があります。天井高こそ低いものの、幅70cmのクッションが備わる2段寝台があり、かつての開放型B寝台車に匹敵する寝心地です(筆者は「銀河」の設備では一番と感じる)。毛布、枕カバー、コンセント、照明、小物入れがあり、寝台の一部がカーテンで覆われます。

セミコンパートメントと個室でゴロン

●JR西日本 273系「やくも」セミコンパートメント
 伯備線の新型特急273系「やくも」には、普通車指定席扱いの「セミコンパートメント」が設置されています。これは2名で利用できる2名用と、3~4名で利用できる4名用があり、どちらも、座面を引き出して向かい合わせのシートと連結すると、フルフラットになります。フラットでない座席状態も、背もたれがよくできていて、かなり快適です。

 難点をいえば、2名用は幅52cmなので、フルフラットにした場合に同行者の足がぶつかりそうになることでしょうか。4名用を子供含む3名で使った場合は、幅が104cmあるので、非常に快適な設備です。

●JR九州 787系「リレーかもめ」ほか グリーン個室
 時刻表で個室マークがついていれば、787系グリーン個室が連結された列車です。グリーン個室は1人掛けのリクライニングシートと、L字型のソファを備えており、L字型のソファは“寝られる座席”です。ただ身長160cm以上だと、少し斜めに寝ることになります。1~2名で利用した場合は、1名がリクライニングシート、もう1名がL字ソファでゴロゴロという使い方もできます。

 3名の場合は「デラックスグリーン」の座席も天井が見えるほど傾くので、こちらをオススメします。

●JR東日本「リゾートしらかみ」セミコンパートメント
 奥羽本線・五能線を走る観光列車「リゾートしらかみ」には、開放型寝台車のような片側通路の「セミコンパートメント」があり、1~4名で使える普通車指定席区画として乗車できます。

 同列車には「橅」「青池」「くまげら」の3編成がありますが、それぞれ2号車がセミコンパートメントです。フルフラットにした場合は、3名が寝られるほどの広さがあります。ただ、「橅」は1・2・8・9番席しかフルフラットにはできないので注意が必要です。また、区画内にはコンセントがなく、電源が欲しければ先頭車のラウンジまで行かなくてはなりません。最大5時間以上乗車するので、この点は注意が必要です。

路面電車でも寝られる!?

●JR東日本 HB-E300系気動車「海里」セミコンパートメント
 羽越本線の観光列車「海里」にも、3号車に1~4名用普通車指定席「セミコンパートメント」があります。こちらも片側廊下の半個室区画で、座面を引き出して向かい側のシートと連結することでフルフラットにできます。3名ならゴロゴロできる区画です。なお「リゾートしらかみ」とは違い、区画内にコンセントがあるのは便利です。

●東武鉄道 N100系「スペーシアX」コックピットスイート
 新型特急「スペーシアX」には、編成端に1室だけの個室「コックピットスイート」が存在します。ここには3名用ソファがありますが、幅が広く、座り心地も良好。枕代わりになるクッションも付属しているので、4名乗車までなら、1名が十分に寝られます。

 ただ、きっぷを取るのが非常に難しいレア設備ですし、左右車窓と前面の3方向の景色を眺められる空間でもあるので、寝るのはもったいないかもしれません。同行者の体調が悪くなった場合などに使えるという感じでしょうか。

●岡山電気軌道 9200形「おかでんチャギントン」
 おそらく日本で唯一の“寝られる路面電車”です。工業デザイナー・水戸岡鋭治氏がアニメ『チャギントン』の世界を再現した電車で、進行方向ではない側に「目」を模したカーテンがあるなど、ユニークで楽しい電車です。

 車内は座面がつながったソファがあちこちにあり、かなり空いている場合だけですが、寝転がれるスペースがあります。空いていた時に成人男性の筆者が寝られましたから、子どもなら確実に横になれると思います。

 ただ、楽しい車内イベントが盛りだくさんなので、寝ているヒマはないかもしれません。

※ ※ ※

 以上、フルフラット座席を備えた車両でした。どれも快適でインテリアもよく、オススメです。

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