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東海道新幹線はなぜ「雨に弱い」? 台風上陸前からしばしば運休 これでも「強く」なってきた

乗りものニュース / 2024年8月30日 7時12分

東海道新幹線(画像:写真AC)。

台風10号が日本列島に接近中です。その前から各地で大雨が降っていますが、東海道新幹線では部分的に運休の措置も取られています。なぜ、大雨で新幹線は止まるのでしょうか。

台風の上陸前から大雨に

 日本列島に接近している台風10号ですが、その前段階から各地で線状降水帯が発生し、東海道新幹線は2024年8月27日(火)、一部区間で運休となりました。JR東海によると、静岡県内で雨量計が規制値に達したとしています。

 風ならばともかく、なぜ雨が新幹線の運行にこれほど影響を及ぼすのでしょうか。

 東海道新幹線では、沿線などに設置された雨量計を用い、降雨量が規制値に達した場合に徐行や運転見合わせなどの運転規制を実施します。判断の指標には時雨量(時間雨量)と連続降雨量とがあり、前者は60mm以上、後者では24時間の累計と時雨量をとります。ちなみに27日17時時点では、連続降雨量が166mm、時雨量が53mmだったそうです。

 土を盛った上に線路を敷いている区間(盛土区間)が全体の約半分を占める東海道新幹線は、そのほかの新幹線と比較しても、雨の影響を受けやすく、昔から「雨に弱い」といった指摘があります。これは日本で最初の新幹線という歴史的な経緯に起因します。

 盛土に大量の雨が浸透して地盤がゆるめば、路盤の崩壊や沿線における土砂流入のリスクが高くなります。そこを列車が走れば、ゆるんだ地盤に衝撃を与えることになり、自ら危険性を高め災害を誘発させかねません。そのため安全を考慮し、運休の措置が取られるのです。

 なお、後年に開業した山陽新幹線の盛土区間は18%、上越新幹線はたった1%です。とはいえ東海道新幹線でも、時代が下がるにつれ盛土は改良されています。現行の規制値(時雨量)は先述の通り60mm以上ですが、開業したころは30mm以上でした。

 さらにJR東海は2022年6月より、規制判断の指標に気象庁が発表する「土壌雨量指数」を導入。これは、降った雨が土壌中に水分量としてどれだけ溜まっているかを数値化した指標で、線路から離れた場所を発生源とする土石流にも備えています。

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