“大統領専用機”がアメリカに押収される珍事発生 「規制違反だ」「海賊行為だ」非難の応酬に

拿捕された機体と同型のダッソー・ファルコン900EX（画像：ダッソー）。

え、どうやって押収した？

アメリカ当局は「制裁違反」であると説明

　アメリカ司法省は2024年9月2日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領とその関係者が所有するプライベートジェットのダッソー・ファルコン900EXを押収したと発表しました。

　同機はドミニカで差し押さえられた後、アメリカのフロリダ州に移送されたとのことですが、どのような経緯でドミニカに同機が到着し、押収されるに至ったのかは不明です。司法省は同機に関して「アメリカの輸出規制に反している疑いがある」と発表しています。

　アメリカは対立関係にあるベネズエラを経済制裁の対象国にしており、武器や一部工業製品などの輸出規制を行っています。

　同機はその規制に引っかかるもので、商務省のマシュー・S・アクセルロッド輸出執行担当次官補は、「2023年4月に、カリブ海経由でアメリカからベネズエラへ違法に輸出された」と述べ、「プライベートジェットがどれほど豪華であろうと、当局がどれほど権力を持っていようと、私たちは国外に違法に密輸された航空機を特定し返還するために、国内および世界中のパートナーと絶え間なく協力していきます」と、たとえそれが大統領が乗る機体であっても関係ないと発表しました。

　一方、ベネズエラはこの押収を「海賊行為に等しい」と批判しています。なお同機に関しては、大統領専用機として使われていたとアメリカメディアは報じています。