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カブシリーズ“不遇の名車”新型が完璧すぎる!? 25年乗った私が、どうも購入に踏み出せない理由

乗りものニュース / 2024年10月14日 18時12分

筆者が所有していたCT110のオーストラリア仕様(2019年、松田義人撮影)。

ホンダの歴史的なレジャーバイクのなかでも、日本で短命ながら海外で長く愛されたのが「ハンターカブ」ことCT110。今ではCT125として復活を果たしましたが、昔のモデルとは何かが違うようです。

海外では32年間も愛されたCT110 日本国内では短命

 往年の50ccレジャーバイクを125ccモデルに転じて復刻をしてきたホンダ。中でも「ハンターカブ」の呼称で日本だけでなくカナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド他で親しまれたCT110(諸外国ではTRAIL110とも)を2020年にCT125として復刻させ、大ヒットさせたことは記憶に新しいと思います。

 実は筆者、前モデル・CT110を4台と、さらに先代的モデルのCT90(1968年モデル)に25年乗り続けた経験があります。そのため、現行のCT125がすごく気になっているものの、購入に今一歩、踏み出せないままでいます。

 筆者がCT110に乗り始めたのは1994年。当時、複数のミニバイクやベスパを所有していましたが、どれも旧車だったりクセがあったりするバイクばかりで、日常使いのゲタ車にするには少し心許ない感じがありました。

 そこで目を付けたのが、当時、逆輸入で新車購入することができたCT110でした。

 CT110は先代的モデルのCT50/90(1968年)を進化させたバイクで、まず1980年に前述の諸外国で輸出販売。翌年の1981年には日本国内でも販売がスタートしました。スーパーカブのエンジンを110ccにしたものに悪路での走破性を意識して副変速機を搭載。ブロックタイヤやアップマフラーなどで、オン・オフ双方で楽しめるバイクでした。

 実際、海外では郵便局のポストバイクや牧場でのバイクとして使われるケースが多く、頑丈で乗りやすいことから、CT110は32年間という長きにわたって輸出され続けました。

 一方、日本国内でのニーズは高くなく、わずか2年で生産終了。優れたバイクであるにもかかわらずヒットには至りませんでした。

 その後、日本国内の逆輸入バイクを扱うショップでCT110の逆輸入車が新車で販売されるようになり、筆者はこういった業者を介し4台ほどを新車で購入し続け、25年間乗り継ぎました。

CT110最後は「驚きの値段」で売れた

 CT110が素晴らしかったのは、まず走破性、燃費の良さ、逆輸入車であってもホンダでの純正パーツの供給があったこと。そして何より、機能性だけを追求したかのような無骨なデザインがこの時代としては良い意味で野暮ったく、この「カッコ良すぎない」感じも一番の魅力でした。

 しかし、2012年にCT110の海外輸出モデルが生産中止になり、新車での購入は在庫分だけとなりました。

 CT110の使い勝手の良さに慣れ親しみ、他のバイクに全く興味が持てなかった筆者は2万キロを走ったCT110を慌てて売却。4台目のCT110を「最後のCT」として新車購入し、2019年春まで乗り続けました。

 ここまでの走行距離は1万6000km。CT110の頑丈さから言えば、まだまだ乗れる距離数でしたが、この時期にCT110の新車・中古車の価格が爆上がりしており、「ここが売りどき」として売却を決めました。個人売買で売れた金額は35万円。なんと新車購入時とほぼ同額で手放すことになりました。

 CT110の代替バイクとして購入したのは「クロスカブ」CC110です。前時代の機構そのままだったCT110に比べれば格段に機能性に富んでおり、そう不満はありませんでした。

キターーー!! モーターショーで見た“プロトタイプ”の衝撃

 しかし、同年の秋に開催された「東京モーターショー」の二輪車のホンダブースで衝撃のモデルを目にしました。それがCT125のプロトタイプでした。

 多少ヤワだった足回りや電装系が改善されているほか、古き良きCT110の雰囲気を残したモデルで、細部がややスパルタンなデザインになっているところも悪くなく、まるでCT110のカスタムバイクのよう。「市販されたら買う」と決めました。

 その翌年の2020年6月、ついにCT125が市販されました。喜び勇んでホンダのドリーム店へ見に行きましたが、「東京モーターショー」で見たプロトタイプから少しスケールアップし、全体のデザインはスパルタン寄りになり、完璧な「バイク然」としていました。

待望の製品版発売 でも、なんか違う…

 CT110とは比べ物にならないほどの最新の機能性と合わせれば「より完成度が高められた」と言えますが、CT110の良い意味での野暮ったさ、バイクというよりも道具みたいな感じが好きだった筆者にとって、正直なところ「完璧なバイクすぎて、なんか自分の身の丈に合わない」という印象も受けました。

 ここでいったん購入を保留にしましたが、以降、街中で多くのCT125を見かけるようになりました。コロナ禍の公共交通機関の利用控えの影響で、この時期はバイクが売れたと言われますが、バイク初心者にとってCT125の乗りやすさはまさにニーズにマッチしたのではないかと思います。

 ただし、この「街中でよく見かける」感じも、筆者にとっては購入を躊躇する理由の一つでもありました。

 こだわり深くクセのあるバイクやクルマなどに乗っているとき、信号待ちなどで同車種と並んだときの妙な気まずさ、照れ臭さがあります。お互いに意識していることを背中で感じあったりして、信号を前に「早く青になってくれ」と願うこともあり、仮にCT125同士が並んだ場合をイメージすると、少々臆するところがありました。

 ただし、このようにCT125の購入を筆者が躊躇するいくつかの理由は、人によっては、「だから良いんじゃないか」と思うものでもありましょう。そして、現行のミニバイクの中では機能性やデザインなどにおいて、CT125がやはり群を抜いて素晴らしいモデルでありヒットする理由もよくわかります。

 筆者は25年もの長きにわたっての相棒だったCT110の面影が今も頭に残り、CT125にやや馴染めないままですが、そろそろ下駄車の買い替え時期でもあります。改めてCT125を次なる下駄車候補にし、購入を検討したいと考えています。

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