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いま話題の「寒暖の差」→旅客機の操縦はどう変わる? パイロットの見解は… 違いをいろいろ聞いてみた

乗りものニュース / 2024年10月4日 16時12分

旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

地上の寒暖差は旅客機の操縦にどのような影響を及ぼすのでしょうか。とあるパイロットに聞くと、方法こそ大きな変化はないものの、やはり影響は少なからずあるようです。

高温=エンジンの性能がいつもより落ちる…?

 2024年10月2日、東京都心の気温が30度を超え、季節外れの真夏日となりました。その一方で翌3日は気温が大きく下がり、寒暖差が激しい日が続いています。この温度差は、旅客機の操縦にどのような影響をもたらすのでしょうか。

 とあるパイロットによると、操縦の方法や感覚それ自体に大きな変化はないものの、気温の影響は多方面に及ぶようです。

 例えば、滑走路の長さや路面状態、風向風速や気圧などの条件によって離着陸が可能な機体重量が何ポンドまでかを示す「離陸性能・着陸性能」という数字がありますが、気温が高くなるとこれが低下するといいます。また、高温時は空気が薄くなることから、エンジンの性能も低温時に比べて低下、上昇性能も影響を受け、上昇率も変わってくるとのこと。

 そのため、パイロットはフライトのたびに入念な性能計算を行うなどし、安全性を確保しているといいます。

 着陸降下時においても、夏の日中は市街地上空で上昇気流が強くなるため、市街地に近い空港では着陸前の気流のアップダウンが冬よりも大きくなるとも。そのため、着陸のパス(降下角度)キープと速度コントロールに気を払うといいます。

 さらに着陸後の減速方法も、気温の影響を受けることもあります。

「エコな着陸法」にも気温が影響?

 近年は燃料節減のため、必要滑走路長に余裕があり天候も良い場合は、着陸後の減速時に逆噴射装置(エンジンの噴射方向を変えることで速度を落とす装置)の使用をアイドリングに留める「リバース・アイドル(Reverse Idle)」という手段が用いられることがあります。ただしこれを用いて減速する場合は、有効な減速手段のひとつである「逆噴射」を平時より使用を控える分、タイヤのブレーキにかかる負担が増えます。

 このパイロットによると、特に高温の状況下では、ブレーキ装置の温度が非常に高くなってしまうことも。この温度が下がるまでにはある程度の時間が必要で、気温が高い日は、その機体が次の便として出発するまでの時間にブレーキが十分に冷えきらないケースがあるといいます。この状態では、例えば次便の離陸時にブレーキをかけなければならないケースが発生した時などに、影響を及ぼす可能性が考えられるそうです。

 そのため、気温が高い日の着陸時は、次便までの時間や機体重量(ブレーキにかかる負荷に関係する)、滑走路から離脱する距離を踏まえた自動ブレーキのセッティング(強いブレーキほど温度が上がる)、駐機場までの自走距離などを総合的に考慮して、「リバース・アイドル」を実施するか判断しているといいます。

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