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戦車よりも恐ろしい!? イスラエル軍の「魔改造重機」地雷も対戦車ロケットも効かない“破壊神” 通った後は更地だけ

乗りものニュース / 2024年10月10日 6時12分

D9R装甲ブルドーザー(画像:イスラエル国防軍)。

イスラエル軍の動向を報じるニュースで結構な頻度で「ブルドーザー」という単語が見られますが、実はイスラエル軍が装備する車体はただのブルドーザーではありません。れっきとした装甲戦力です。

中東での戦闘用に特化した車両

 2024年10月7日、パレスチナのガザ地区で同地を実行支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍との戦闘が始まって1年が経過しました。

 同地の戦闘では、たびたび「イスラエル軍がブルドーザーを投入」「ハマスがブルドーザーをロケット弾で標的にしたと発表」といった形で、海外メディアの報道を確認すると、イスラエル軍が運用しているブルドーザーの動向を伝える記述を見ることができます。

 なぜ、ここまでイスラエル軍のブルドーザーが強調されて報道されているかというと、実は同軍が使っているブルドーザーが、市井で用いられる建機仕様とは姿や性能が大きく異なっているからです。

 イスラエル国防軍が使っているのは「D9R装甲ブルドーザー」と呼ばれます。大きさは全長8.8m、幅4.3m、全高4m、重量65tとほぼ戦車サイズで、416馬力のエンジンを搭載したキャタピラー製のブルドーザーD9Rの改造車両となります。

 各部は軍用としてさまざまな改良が施されており、たとえば運転席は防弾ガラスになっているうえ、ロケット推進系の対戦車兵器や対戦車ミサイルを無効化するために金網状のスラットアーマーを装備、さらに計15tの追加装甲を装備し、土などを運ぶブレードも装甲化しています。

 20年ほど前にアメリカでコマツのブルドーザーを装甲化した犯人が、市街地をそれで暴れまわった、いわゆる「キルドーザー事件」というものがありましたが、そのような装甲化した車両を、国防軍というオフィシャルな組織が何台も持っているという訳です。

家やインフラをブービートラップごと更地に!?

 D9R装甲ブルドーザーは1982年のレバノン戦争で初投入されました。以降、イスラエル軍はパレスチナやレバノンの武装勢力を相手に同車両を頻繁に使用しています。

 同軍がこの車両を頻繁に使う理由は、その突破力にあります。イスラエル軍は戦闘時に同車を盾代わりにしています。その防弾性はかなりのもので、銃弾はもちろん、RPGをはじめとした対戦車ロケットなどの攻撃も防いだと言われています。地雷やIED(即席爆弾)も地面ごと処理してしまうそうで、ギネスからは「最も装甲の厚いブルドーザー」として認定されています。

 防御面だけではなく、火力も充実しており、車載の機関銃のほか、てき弾発射装置も備え、歩兵や簡易的な装甲車程度なら撃退できるとか。また、発煙弾で自身の姿を隠すことも可能です。

 建物や陣地を更地にしながら進むその姿は恐怖の対象となっており、ある意味イスラエル軍の主力戦車「メルカバ」よりも恐れられている向きもある模様です。実際、2002年にパレスチナ自治区で行われたジェニンの戦いでは、IEDなどのブービートラップを張り巡らせた家々をD9R装甲ブルドーザーが“家屋ごと”破壊してしまい、パレスチナ側の戦闘員の戦意を喪失させ、降伏に追い込んだというハナシまであります。

 ただ、今まで住んでいた家々をインフラごと破壊してしまう車両ということで、武装勢力に参加している現地住民の怒りの矛先が向かいやすい車両でもあります。そのためかイスラエル軍では、遠隔操作の無人タイプも開発しており、近いうちに実戦投入もあるのではと噂されています。

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