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「JASのジャンボ」なぜポシャった? 国内3大航空“みんなジャンボ”だったら歴史変わってたかも!?

乗りものニュース / 2024年10月16日 7時42分

JASのエアバスA300(画像:JAL)。

JAL・ANAも導入した「ジャンボ機」ことボーイング747は、実は国内で2社に次ぐ事業規模を誇ったJASでも導入が計画されていました。なぜとん挫に至ったのでしょうか。

1992年導入予定だった

「ジャンボ機」の愛称で親しまれたボーイング747は、かつて世界最大の旅客機として、国内でもJAL(日本航空)、ANA(全日本空輸)が使用していました。さらに、この2社に次ぐ事業規模を誇ったJAS(日本エアシステム)も導入を検討していたのですが、これは実現しませんでした。

 JASはかつて国内線を中心に路線網を持ち、2002年にJALと経営統合した会社です。それ以前の1988年4月まではTDA(東亜国内航空)を社名にしていましたが、そのTDAは、日本国内航空と東亜航空が1971年5月に合併して生まれたものです。JAL、ANAに次いでTDAが誕生したこの時代に、3社共通の機種だったのがボーイング727でした。

 その727に続き、747が3社共通の機種になろうとしていたのは1990年代のこと。日本を狂喜させたバブル景気の破綻後も好景気の余韻はまだ残っており、海外旅行も増加傾向にありました。

 運輸省(現国土交通省)は国内航空会社の競争を促進し、成田空港の2期工事と関西国際空港の建設、羽田空港の沖合展開事業を進めていました。日本はまだ「イケイケ」ムードであり、当時のJAS幹部は「JALとANAに比べて営業力は歴然とした差がある」と認めつつも、旅客需要の獲得へ向けて、1992年3月に2機の747-400導入を織り込んだ事業計画を発表します。

もし「JASの747」実現なら気になる点

 しかし、ひどくなる一方の景気低迷に抗えず、JASはわずか1年後に経営改善計画を発表します。格納庫などの建設計画は延期し、同時に6機にまで増やした747-400の導入も延期。結果として双発機777の7機導入へ変更したのです。こうして777が727に続く3社共通の機種となりました。

 結局、JASは747-400を導入することはなく、2001年9月の米国同時テロによる世界的な旅客需要の落ち込みを受け、JALと経営統合し今に至ります。

 ちなみに実はJASの標準塗装であった紺とオレンジの「レインボーカラー」は、実は後年ボーイングの大きなライバル企業となるエアバスから“贈られた”ものです。というのも、JASの前身であるTDAは、国内で初めてエアバス機を導入した会社だったためです。

 そういった元エアバス塗装だったことが直接的に関係しているかどうかは定かではありませんが、結果的にJASは777の導入時に機体塗装を公募で募り決め、標準塗装とは大きく異なるデザインとなりました。もし747-400が予定通り導入されていたとしたら、どのような塗装をまとったのかはファンとして気になるところです。

 また、777ではエコノミー席から1000円の追加料金でアップグレードできる画期的なサービス「レインボーシート」が導入され、それが現代のJAL国内線の人気席「クラスJ」に引き継がれたとされています。

 仮に747-400が導入されていれば、777より大型である特徴を生かし、JASがもっと違うアイデアを盛り込んだ結果、現代の国内航空会社のサービスにおける常識は、少し違っていたかもしれません。

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