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「急に止まったりして危ないのでは」という壁――JR西日本 鉄道ならではの「自動運転バス」開発のキモ

乗りものニュース / 2024年10月21日 9時42分

自動運転バスの実証実験車両の例(画像:R西日本の動画より)。

「CEATEC 2024」のJR西日本ブースでは。バスの自動運転に関する技術が展示されていました。同社は日本初となる連節バスの隊列走行を成功させましたが、そのときこだわったのが「車内の揺れ」だったそうです。

先頭車両とリンクし的確な停車などが可能

 2024年10月15日から18日まで千葉県の幕張メッセで行われた「CEATEC(シーテック)2024」では、AIやネットワーク技術を使った様々な技術が公開されていました。その会場内ではJR西日本もブースを出展しており、自動運転バスの技術を公開していました。

 これは、JR西日本が広島県東広島市に自動運転バスを走らせることを目指し、同市および広島大学と共同で行っているプロジェクトで、複数の車両が「隊列走行」を行うBRT(バス高速輸送システム)の技術をソフトバンクと共同で開発しています。将来的にJR西日本が列車に代わる輸送手段とすべく、東広島市では2023年11月から2024年4月まで、日本初となる連節バスの自動運転・隊列走行の実証実験も行いました。

 車体が2台以上つながった連節バスをはじめ、バス専用道やバス優先の信号システムなどを備え、輸送力と速達性を確保。高齢化や人口減少による人手不足の時代に対応した交通機関とする狙いがあります。

 今回の隊列走行では、先頭の車両や衛星とデータリンクすることで、ブレーキをかける際や、曲がるときなどに先頭車両の動きと同じタイミングで行動が可能とのこと。これが、従来の自動運転との大きな違いになるといいます。

人間と同じ挙動の運転は安心感がある?

 従来の自動運転の場合は、先頭車両が障害物を発見してブレーキをかけた場合、後続車両は先頭車両の停車をしばらく経って認識した後に、強めのブレーキをかけて止まるそうです。しかし、このシステムの場合は、先頭車両がブレーキを踏んだ段階で後続車も感知してブレーキをかけ始めるため、揺れを抑えながら停車することができます。

 こうした配慮こそ自動運転車両に求められる要素であるとのこと。JR西日本次世代モビリティーの担当者は「我々は鉄道を担っているので、自動運転をする場合、どれだけ人に近づけるかを考えました。人と運転の挙動が違うというのは、乗る人も不安になるでしょう」と話します。

 自動運転を不審がる人の中には、急に止まったりして危ないのでは――と不安を感じる人もいるようで、実際JR西日本にもそうした意見が多く届いているそうです。

「システムがどうなっていると説明するよりも、実際に乗ってみて安心感、安定感があるほうが非常に重要です」と担当者は話します。自動運転というと、どうしてもテクノロジーの方に関心が向かいがちですが、最終的に大きな評価点になるのは「乗り心地」であると力を込めました。

 自動で動くとはいえ、血の通わない荒い運転ではなく、バス運転手のような繊細さが運転するAIやシステムにも求められるといいます。担当者も「車外ではなく中(車内)に向ける視点を忘れないようにしないといけません」と明かします。

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