アメリカ空軍「世界一高い航空機」B-2を中東の反政府勢力に使用 2020年代では初投入
乗りものニュース / 2024年10月21日 8時42分
久しぶりの投入。
以前に爆撃を行ったのは8年近く前
アメリカ国防総省は2024年10月16日、アメリカ空軍のB-2爆撃機が、イエメンのフーシ派支配地域にある地下武器保管場所5か所に対し、精密爆撃を実施したと発表しました。
イエメンの反政府勢力であるフーシ派は、2023年10月から現在も続くイスラエルとハマスの戦闘で同年11月にハマスへの支持を表明して以降、紅海、バブ・アル・マンデブ海峡、アデン湾などで民間商船に対する攻撃を続けています。
当初フーシ派は、イスラエルに停泊するなど直接関係のある商船を攻撃すると宣言していましたが、その後、関係が希薄な船も標的に。そのためアメリカをはじめEU、イギリス、カナダ、インドなどが商船護衛のための艦隊を派遣しています。
今回アメリカ空軍の爆撃は、商船や護衛艦艇への攻撃に使われるミサイルや自爆ドローンなどが保管されていた場所を狙ったようで、ロイド・J・オースティン報道官は「フーシ派による違法な攻撃は、国際貿易の自由な流れを妨害し、環境災害の脅威をもたらし、罪のない民間人やアメリカおよび同盟国の軍人の命を危険にさらし続けている」と同組織を批判。「バイデン大統領の指示により、私は、フーシ派の攻撃継続能力をさらに低下させ、世界で最も重要な航路のひとつにおけるアメリカ軍および軍人を保護・防衛するために、これらの標的攻撃を承認した」と攻撃理由を述べました。
なお、弾薬はフーシ派勢力圏内でもかなり強固な施設で保管され守られていたようで、国防総省は「これは、敵対者が手の届かない場所に隠そうとする施設を、それがいかに深く地下に埋められ、強化され、要塞化されていても、標的にできるというアメリカの能力を示している」と発表しています。
なお、B-2爆撃機はレーダーに映りにくいステルス性能を有する全翼機で、1機の価格は約20億ドルといわれており「世界一高価な飛行機」としても知られています。同機が前回実戦に投入されたのは2017年1月の北リビアへの攻撃で、8年近く前になります。フーシ派への攻撃に使用されたことも今回が初めてです。
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