「のぞみ」平成生まれじゃないの!? じつは戦前に存在「ひかり」とペアで疾走 そこは異国だった
乗りものニュース / 2024年11月8日 9時42分
東海道新幹線といえば「ひかり」と「のぞみ」。この有名な列車の“ペア”が、現在の中国東北部にあった旧南満洲鉄道(満鉄)と朝鮮半島の旧朝鮮総督府鉄道(鮮鉄)でも走っていたことをご存じでしょうか。
半世紀ぶりに復活したペア
今年(2024年)は東海道新幹線が開業してからちょうど60年の節目の年です。東海道新幹線は1964(昭和39)年10月1日に走り始めました。
当初は各駅停車の「こだま」と主要駅のみ停まる快速の「ひかり」の2種別で、1992(平成4)年により速達性に優れた種別として「のぞみ」が誕生しています。
そのため、「のぞみ」は比較的最近生まれた列車種別と思われがちですが、じつは今から80年以上前の太平洋戦争前に生まれていました。しかも一緒に「ひかり」も同じ路線を走っていたのです。
戦前の「ひかり」「のぞみ」が時刻表に登場したのは1940(昭和15)年のこと。ルートは、山口県の下関と船で結ばれていた釜山桟橋駅を出発し、京城(現在のソウル)から平壌へと朝鮮半島を北上。その後、旧満洲国(現在の中国東北部)に入って奉天(瀋陽)を経由し、新京(長春)に至るというもので、それぞれ1日1往復していました(「ひかり」は哈爾浜まで運転されていた時期もあり)。
しかし、戦況悪化に伴い「ひかり」と「のぞみ」は運転を中止します。その後、1945年8月の敗戦によって、再び走ることなく終わりました。
ゆえに、それから約50年後の1992(平成4)年、この“ペア”が半世紀ぶりの“復活”を果たすことになったといえるでしょう。
ちなみに、「ひかり」の名前は東海道新幹線開業前に行われた名称公募の際に最も多かった名前で、ほかには「はやぶさ」「いなづま」「はやて」「流星」などが挙がっていました。
一方、「のぞみ」は「21世紀をにらんだ未来指向性のもの」「夢を与えるもの」「日本を代表する列車にふさわしいもの」というテーマのもと、有力候補であった「希望」を「ひかり」「こだま」にあわせて“大和言葉”にした「のぞみ」が採用されたといいます。
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